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自動ドアが開き、受付女性の第一声に面食らった。「いらっしゃいませ」
ここって病院だよね? 競争激化で、今や病院もサービス産業の時代なのかしら。
ある日の夕食後、長女の歯みがきをしていると、奥歯に小さな茶色い点を発見。まさか虫歯!? 急いで歯医者さんへ行かなくちゃ。早速、ママ友たちに近所の歯科の評判をリサーチ。「○○は腕はいいけど無愛想」「△△は愛想はいいけど腕はイマイチ」「□□は腕も愛想もいい」
迷わず□□歯科に電話をしたところ、「たいへん混雑していて、再来週の予約になります」という返答。「その間に長女の虫歯はどんどん進む!」と、せっかちな私は待ちきれず、オープンしたばかりで予約の取りやすい歯科に決めた。真新しい建物に入ると、待合室はホテルのロビーさながら。BGMにジャズが流れ、フカフカのソファ、コーヒーや紅茶が無料で飲めるドリンクサーバーが設置されている。名前を呼ばれて案内されると、診察室はすべて個室に仕切られていた。「担当させていただきます」と現れた歯科医師と歯科衛生士からそれぞれ名刺を渡された時は「ここって本当に病院?」と、この日、2度目のびっくりだった。
結局、茶色い点は虫歯ではなく、歯ブラシでは取りきれない汚れだったので一安心。痛い治療もなく、帰りには長女と付き添いの次女にまで小さなオモチャのおみやげ付き。長女は「また歯医者さん行きたいから虫歯になりたい」と言い出す始末だ。
(成川由貴子)