「平成23年 国民健康・栄養調査」、歯科健診や専門家による口腔ケアの受診頻度は「半年に1回以上」が21.9%

医療経済出版 http://www.ikeipress.jp/archives/5527

 厚生労働省は12月6日、「平成23年国民健康・栄養調査結果の概要」を公表した。同調査は健康増進法に基づき毎年実施されている。今回調査は平成23年11月分で、東日本大震災の影響のため、岩手県、宮城県、福島県を除いて実施されている。
 第7章として「歯の健康に関する状況」があり、1)入れ歯の使用状況、2)歯科健康診査や専門家による口腔ケアの受診頻度、3)咀嚼の状況、が掲載されている。2)の歯科健診や専門家による口腔ケアの受診頻度を見ると、「半年に1回以上」が21.9%、「1年に1回程度」が26.5%で合計48.4%となっている。年代別では60から69歳で合計54.7%ともっとも高くなるが、70歳以上では合計52.0%と若干低下している。
厚生労働省のホームページ

>>>健康のためには口腔ケアの受診頻度がさらに上昇していくような試みが必要ですね。

2012衆院選・主要政党の医療関連の公約

エキサイトニュース http://www.excite.co.jp/News/health/20121205/Cabrain_38719.html

衆院選(4日公示、16日投開票)に向けた主な政党の政権公約がほぼ出そろった。各党の医療に関する公約をまとめた。

【介護の公約に関する記事】
 民主党はマニフェストで、医療・介護分野で働く人を増やすと表明。再生医療や介護ロボットの活用などの新たな取り組みを進め、280万人以上に働く場をつくると記した。また、2009年の衆院選マニフェストに引き続き、後期高齢者医療制度の廃止や、高額療養費制度の見直しを掲げた。

 自民党は「J-ファイル2012」で、検診を定期的に受診した場合に医療費の自己負担を軽減するなどの誘導策の導入を打ち出した。このほか、▽子どもの医療費無料化の検討▽高額療養費の限度額の引き下げ▽総合診療医の育成とかかりつけ医の導入▽国民健康保険の運営の都道府県単位への広域化―などの方針を示した。

 公明党はマニフェストで、高額療養費制度の見直しについて、70歳未満で年間所得が300万円以下の世帯(住民税非課税世帯は除く)の医療費の自己負担上限額を、現在の月約8万円から約4万円に引き下げるとした。また、研修体制の見直しや医師派遣システムの強化による医師不足地域の解消に取り組むことや、医療費負担を18歳まで1割にすることも盛り込んだ。

 日本未来の党は、後期高齢者医療制度の廃止と、医療保険制度の一元化を掲げた。

 日本維新の会は「骨太2013-2016」で、現状認識として、年金、医療、介護の持続可能性に対する不安を表明。「政策実例」で、「診療報酬点数の決定を市場に委ねる制度へ」とした上で、「混合診療の解禁」も明記した。さらに、医療費の自己負担割合について、年齢ではなく、所得に応じて差を設け、低所得者のみ負担を軽減する。

 共産党は「改革ビジョン」で、診療報酬の引き上げと医師・看護師の増員を進める方針を示した。さらに、子どもの医療費を国の制度として無料にするほか、現役世代は2割、高齢者は1割の負担とする。

 みんなの党は「アジェンダ2012」で、「医学部・メディカルスクールの新設を解禁」と明記した。また、自由診療と保険診療の「混合診療」の解禁や、健康保険制度の段階的な一元化も盛り込んだ。医療行為を認められた看護師「ナース・プラクティショナー」資格の導入も検討する。

 社民党は「選挙公約2012」に、▽後期高齢者医療制度の廃止▽70―74歳の医療費の窓口負担割合1割の据え置き▽診療報酬の抜本的な増額―などを掲げた。

新党大地は「新党大地の誓い」で、臨床研修医制度を改め、地方の医師不足を解消すると記した。

 国民新党は、消費増税に賛成する条件の一つに「増税分の用途は医療、福祉、介護、子育てをはじめ社会保障・年金制度の充実と国民皆保険制度を維持するために限定化」を挙げた。

>>>今度の選挙の参考に。歯科医師会はどれを支持するのでしょうか。

金属代替材料による臼歯部1歯中間欠損に対するブリッジ治療が先進医療に導入

医療経済出版 http://www.ikeipress.jp/archives/5521

11月28日の中央社会保険医療協議会において、「金属代替材料としてのグラスファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジの治療技術」が先進医療会議における検討で妥当と判断され、先進医療として導入されることが報告された。
 適応症は「臼歯部1歯中間欠損に対し両隣在歯を支台歯とした3ユニットブリッジ」とされており、保険給付されない費用(患者に自己負担を求める費用)が3万6千円、保険給付される費用(保険外併用療養費)が1万4千円とされている。同技術の有用性としては、貴金属合金を使用しないため金属アレルギーを有する患者への対応が可能であることと、同じく貴金属合金を使用しないため貴金属相場の変動を受けず安定供給が可能であることが挙げられている。
 実施責任者の要件は補綴専門医で当該診療科の経験年数5年以上、当該技術の経験年数1年以上、経験症例数5例以上とされているが、「将来的に保険収載を行うことが妥当」との評価を得ており、いずれは保険診療による一般的治療として普及する可能性は高いと予測される。
厚生労働省のホームページ

>>>早く一般歯科医院でも保険適用されるといいですね

名大、幹細胞の分泌した再生因子を含む培養液のみで歯周組織の再生に成功

マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2012/11/30/139/

名古屋大学(名大)は11月29日、幹細胞を移植することなく、細胞の分泌した再生因子が含まれているその培養液を用いて歯周組織の再生を行うことに成功したと発表した。

成果は、名大大学院 医学系研究科 顎顔面外科学の上田実教授、同・片桐渉助教、同・犬飼丈晴大学院生らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、12月8日付けで米国誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載される予定だ。

近年、歯周病の治療、歯周組織の再生に幹細胞を移植する試みがなされている。日本でも名大医学部附属病院を含め、いくつかの大学病院で臨床研究がなされているところだ。しかし、幹細胞の移植にあたっては細胞が腫瘍を作ってしまうリスクがあったり、細胞培養施設の設置や細胞培養にかかる費用、人件費などのコストが膨大であり、かつ高度な細胞の品質管理や安全性の担保が要求され、厳格な法規制もあいまって施設限定的な治療法といわざるを得ない状況である。

研究グループでは、これまでの研究より幹細胞が培養時に分泌するさまざまなタンパク質が組織再生において重要な役割を担っていることなどを解明してきており、幹細胞の培養液に含まれるこのようなタンパク質(再生因子)は、幹細胞移植と同等の再生能を持つことを2012年7月に発表している

この幹細胞培養液に含まれる再生因子には、明らかになっているだけでも、サイトカインなど数10種類のタンパク質が含有されているという。これらは血管新生を促し、骨やセメント質といった歯周組織を構成する細胞を病変に動員する作用を持っている。

そこで研究グループは、この培養液を歯周病に投与することにより、歯周組織再生が行われるのではないかと考察した。これは細胞移植を必要とせず内在性の幹細胞を利用する、これまでの概念にない歯周組織再生医療であり、幹細胞移植にまつわる前述した諸問題を解決できる方法となり得る。それに加え、移植した幹細胞の造腫瘍化などの危険性も回避可能な点も大きい。

今回の研究で用いられた培養液については以下のことが判明している。まず培養液は「間葉系幹細胞(MSC)」のものであり、「IGF-1」、「VEGF」、「TGF-β1」、「HGF」など多数のサイトカインが含有されていた。そしてこの培養液は、「ヒト間葉系幹細胞(hMSC)」の遊走能、増殖能を上昇させ、また血管新生や骨芽細胞への分化を促進した。

そして培養液をコラーゲンスポンジにしみ込ませ、イヌの歯根周囲に作製した骨欠損部に移植する実験を実施(画像1・2)。レントゲンや組織切片にて観察したところ、経時的に新生骨の添加が起こり、培養液移植部には歯槽骨やセメント質といった歯周組織が再生されたという具合だ。

前述したように、幹細胞の移植なしで歯周組織が再生するならば、治療の安全性が大幅に向上するばかりか、細胞移植に随伴する諸問題の多くが解消される可能性がある。つまり、移植細胞の造腫瘍性の可能性の低減、移植操作の簡便化、材料の規格化、安定性、治療コストの低減化などの多くのメリットだ。また将来的には新しい歯周病治療薬として創薬も期待できるという。

研究グループは今回の成果は、歯周組織の再生医療の実用化に大きく寄与するものと考えられるとコメントしている。

 

ひまわりが咲く日:児童虐待を追う 現場最前線/1 被害の実態、赤裸々に /奈良

毎日新聞 http://mainichi.jp/area/nara/news/20121123ddlk29040603000c.html

◇ガイドに医師たちの思い

 一冊のガイドに医師たちの思いがつまっていた。

 虐待から一人でも多くの子供を救いたい。そのためには、「虐待」と診断すべき方法を示すだけでなく、被害の実態を赤裸々にするしかない。収められた数十枚のカラー写真は、その悲惨さを雄弁に語っていた。

 首を絞められた跡、カッターナイフで肩から腰まで切られた傷、赤くじくじくとしたやけど、全身に広がるうみと湿疹(しっしん)。多くが児童で、生後間もないとみられる赤ちゃんの写真もあった。

 掲載されたのは、県発行の医師用「児童虐待防止ビジュアルガイド」。中心となって昨年3月、作成したのは十数人の医師。勤務医だけでなく、開業医も参加した。領域は小児科、救急、法医学、脳神経外科など幅広い。

 医療機関が診療を通じて虐待を知る機会は少なくない。しかし、県内の児童相談所への通告は昨年度、全体の約2%。多くの医師は関心が低く、虐待を疑っても通報をためらっている現実が浮かぶ。このガイドはその意識改革も狙った。

 ◇事故か否かの診断、難しいケースも

 「虐待の本当の悲惨さを知っていますか」。作成メンバーの1人で、県立医科大付属病院(橿原市)の小児科医、嶋緑倫さん(58)は、記者に問いかけた。

 「ガイドの写真を見ると、抵抗ができない子供を相手に、『これが人間のやることか』と思うほどひどい」。一方で、虐待か否か、診断するのが難しいケースも経験している。

 3、4年前、救急搬送されて来た生後数カ月の赤ちゃん。頭蓋骨の内部に出血を起こしていた。両親は「落ちた」と説明したが、落ちてできたものとは思えなかった。

 「医者としてこれは児童相談所に通報(通告)しないといけません」。はっきり伝え、通告した。その後、どうなったのか。

 両親は現在、歩くことも話すこともできない重度の障害が残った女児を献身的に介護している。結局、「落ちた」のは虐待だったのか、事故だったのか。今でも分からない。

 県立医科大付属病院は今年4月、研修医を対象に児童虐待の講習を初めて行った。ガイドを配布し、たばこを押しつけられるなどした子供の写真をスライドで紹介。痛ましさに、顔を背ける研修医もいた。法医学と小児科の医師が講師を務め、早期発見の大切さを訴えた。来年度も行う予定で、担当者は「医療の最前線に出る研修医に、虐待が実際にどんなものなのか知ってもらいたい」と話す。

◇未処置の虫歯、重要なサイン

 「虐待は、口の中を見れば分かる」

 橿原市の歯科医、打谷美香さん(48)は、今春の歯科健診で、ある小学生の歯を診て驚いた。ほとんどが虫歯。前年のデータを見ると、状況は同じで、治療した形跡はなかった。異常なストレスがかかって、虫歯を防ぐ唾液がでていない可能性があり、親が治療をさせていないことは明らかだった。カルテにネグレクト(育児放棄)の疑いと書き込んだ。

 親などから不適切な扱いを受けていると思われる多くの子供を診てきた。「泣いている子はもっといる。守ってあげたい」。今年2月に県が発行した歯科医用「児童虐待予防マニュアル」の作成にかかわった。

 打谷さんら歯科医の有志が、虐待のため一時保護された県内の2〜18歳の子供108人について、歯の診療状況を調べたところ、一般に比べ、未処置の虫歯の本数と所有率が高い傾向が分かった。虫歯は虐待の重要なサインだった。

 昨年から、児童養護施設や乳児院で歯ブラシの使い方を教えるなどのボランティアを始めた。「子供とかかわるすべての人が虐待についての意識を高めてほしい」。一児の母親の思いでもあった。【岡奈津希】

全国保険医団体連合会が主要政党に送付した政策アンケートの結果を公表

医療経済出版 http://www.ikeipress.jp/archives/5471

 全国保険医団体連合会(保団連)は次期衆議院選挙に向け主な政党への政策アンケートを実施、結果を公表した。質問は全部で12項目。民主党、自民党、公明党、みんなの党、日本維新の会、国民の生活が第一、日本共産党、社民党の名が挙げられているが、公明党、みんなの党からの回答は得られなかったという。いくつかの質問項目についての回答は下記の通りだった。
4)社会保障制度改革推進法案を廃止する/民主、自民が「反対」で、他の党は「賛成」
5)新たな患者窓口負担増を行わない/民主、自民、維新が「その他」で、他の党は「賛成」
6)原則3割の窓口負担を軽減する/民主、自民、生活が「その他」、維新が「反対」、他の党は「賛成」
9)医療の規制緩和をやめ、医療を営利産業化しない/自民、維新が「その他」、他の党は「賛成」
 生活、共産、社民はほとんどの項目に賛成で、民主と自民の回答は共通するものが多く、維新の回答は独自性の強いものとなっている。
全国保険医団体連合会のホームページ

歯周組織再生に有効=幹細胞分泌のたんぱく-名古屋大

時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012112900969

 幹細胞から分泌されたたんぱく質が、歯周病などで失われた歯槽骨や歯肉などの組織を再生させるのに有効であることを、名古屋大の上田実教授らの研究グループが突き止めた。治療薬の開発に期待できるといい、成果は12月8日付の米科学誌電子版で発表される。
 グループは、2~3本の歯とその周辺の骨を削って人工的に歯周病にした犬を使い、人間の骨髄由来の幹細胞から分泌された四種類のたんぱく質を含んだ培養液で再生効果を確認した。
 さらに、昨年1月から名大付属病院など2病院で、歯周病の患者10人に臨床研究を実施。12カ月間で歯周組織が3ミリ成長するなどの結果が出たという。

唇裂・口蓋裂 高知県内療育相談10年目

高知新聞 http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=295873&nwIW=1&nwVt=knd

 母親のおなかの中で唇や上あごがくっつかないまま生まれる「唇裂・口蓋裂(しんれつ・こうがいれつ)」。約500人に1人の割合で生まれるとされ、18歳ごろまで治療が必要だ。本県では2003年から毎年、県立療育福祉センター(高知市若草町)で療育相談会を開催。「食べる」「話す」機能の習得や改善を目指し、県内外の専門家たちがチームで治療に取り組んでいる。

 人の顔は、いろいろな突起が組み合わされて作られる。唇裂(口唇裂)は、胎児の段階で唇がくっつかなかった状態で、口蓋裂は口の天井がくっつかなかった状態。原因ははっきりしていない。
 発育の状況によって異なるが、通常は生後3カ月ごろに唇裂の手術、1~1歳半ごろに口蓋裂の手術を行う。
 だが、治療はここで終わらない。子どもの成長に伴い、歯並びや虫歯、中耳炎、審美上の問題などが出てくる。さらに、口蓋裂の子どもの一部は言語訓練が必要になる。

 ■発音チェック

 「じゃあ、先生と同じようにしゃべってねー。『さしすせそ』『はいぷ』『かき』」
 同センターで2カ月に1度行われる矯正歯科診療。担当歯科医の山本一郎さんが8歳の女児に気さくに話し掛けた。発音を始めると、ファイバースコープで喉の動きを見る。
 女児は口蓋裂の影響で「鼻咽腔(びいんくう)閉鎖機能不全」と診断され、1歳から言語訓練に通っている。鼻咽腔は喉の奥のこと。話す際に喉がうまく閉まらないため、息が漏れ、カ行やサ行が聞き取りづらくなる。山本さんは「例えば、『がっこう』が『あっおう』と聞こえる」と説明する。
 山本さんは同席した言語聴覚士に「サ行が気になる。舌の動かし方の練習を」と指示し、女児に「だいぶ上手に話せるようになった。成長したなあ」。褒められた女児はにっこり笑った。
 この日の受診者は2~14歳の14人。山本さんは発音や歯の状態をチェックし、県内の歯科医や言語聴覚士らと治療方針を相談。保護者に「ご飯をしっかり食べさせて」「がらがらうがいなど口を膨らませる練習をやってみて」と助言した。
 山本さんは実は、県内の歯科医ではない。兵庫県西宮市で歯科医院を開き、唇裂・口蓋裂の矯正歯科診療に力を入れている。

 ■わが子だけかと

 来高のきっかけは01年、手術を行う県内施設が一時的になくなったことだった。近畿や中四国の病院を受診する患者が増え、家族の負担に。そこで、山本さんら県外の専門家が「高知の患者を集めてくれたら診療に行く」と提案。03年から療育相談会を開いてきた。
 毎年、形成外科医、歯科医のほか、言語聴覚士や臨床心理士がボランティアで参加。午前中に個別相談を実施し、午後は難しい患者について話し合い、治療方針を決める。
 第1回の受診者は33人。事務局を担当する大崎聡さん=土佐市高岡第一小学校「ことばの教室」教諭=は「治療が途中で中断した子など、想像以上に大変な状況があった」と振り返る。保護者へのアンケートでは「うちの子だけかと思っていた」という声が多数。「県内に施設がなく、患者同士が知り合う機会がなかったんです」
 昨年までの9回で延べ361人が受診。大崎さんは「職種間の連携がスムーズになった」と話す。ただ、01~10年に生まれた推定患者数に対し、受診者は6割弱ほど。「相談会の存在を知らずに悩む家族がまだいると考えられます」
 山本さんは同センターの非常勤職員として相談会と矯正歯科診療を担当してきた。来高はもう50回以上。その理由をこう説明する。
 「唇裂・口蓋裂は『手術で見た目がよくなったら終わり』ではありません。うまく話せないばっかりに、いじめられるというケースもある。正常に食べる、話すことは生活の基本。そのための治療や訓練をもっと重視すべきです」
 治療に必要な多職種によるチーム医療体制は全国的に整っていない。山本さんは「僕が知る限り、唇裂・口蓋裂の子どもの療育で高知はトップを走っている。大事に続けてほしい」と話している。

過剰歯と先天的欠如

みんゆうNET http://www.minyu-net.com/kenkou/dental/121123den.html

歯並びに悪影響の場合も

 人間の歯の数は、乳歯で20本、永久歯で28本(親知らずを含めると32本)ですが、まれに多かったり、少なかったりすることがあります。
 乳歯で時々見られるのが癒合歯で、2本の歯がくっついてしまい、1本の歯になっていることがあります。これは主に下の前歯で見られます。
 永久歯に生え替わるときに余分な歯が生えてくることがあり、これを過剰歯と呼びます。歯並びに悪影響を及ぼしたり、舌の動きを邪魔したりするときは早めに抜歯することが必要です。過剰歯は萌出(ほうしゅつ)しない状態でも歯並びに影響することがあるため、本来は隣接して生えてくる歯が離れて生えてきたときにはエックス線撮影で過剰歯の存在の有無を確認しておくことが望まれます。
 過剰歯は通常の永久歯より小さいことが多く、複数存在することもあり、上の前歯部の正中に見られることが多いようです。
 逆に永久歯の数が少ないこともまれにあり、先天的欠如と呼んでいます。前述した乳歯の癒合歯が永久歯に生え替わったもの以外にも、乳歯が正常に生えていても先天的欠如が起こる場合があり、上の側切歯(2番目の前歯)と下の第2小臼歯(「6歳臼歯」=第1大臼歯=の手前の歯)に発生することが多いようです。
 歯並びに大きな影響がなければ経過観察になりますが、乳歯が生え替わらずに正常に機能している場合は、できるだけ乳歯を長期保存していくことが重要になります。(県歯科医師会)

炎症性関節炎に対する歯周病の影響は歯がなくなってもまだ続く

日経メディカル http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/acr2012/201211/527780.html

 慢性的な炎症性疾患である歯周病は、関節リウマチ(RA)患者の関節炎症を悪化させるとの報告がある。そこで、初期の炎症性関節炎の患者を対象に、歯周病のサロゲートマーカーとされる残存歯数と疾患活動性の関連を調べたところ、残存歯数が少ないほど疾患活動性が高く、歯が全くなくなった後も歯周病の影響は続くことなどが示唆された。11月10日から14日までワシントンDCで開催された第76回米国リウマチ学会(ACR2012)で、英国Birmingham大学のPaola de Pablo氏らが発表した。

 対象は、炎症性関節炎の症状が出てから6カ月以内で、抗リウマチ薬(DMARDs)およびステロイド未使用の患者1009人(平均年齢55歳、発病後の平均罹病期間は12週間)。

 残存歯数が0、1-12、13-23、24-27、28(全)の5群に分けて、CRP、RF/ACPA、ESR、DAS28、朝のこわばりなどについて調べた。その結果、残存歯数が少ない群ほど炎症が強く、朝のこわばりや疾患活動性のスコアが悪かった。

 残存歯0群と残存歯28群の炎症マーカーと疾患活動性を比較すると、CRP(28mg/L 対 13 mg/L、P<0.017)、ESR(45mm/時 対 24mm/時、P<0.001)、DAS28-ESR(5.2 対 4.5、P<0.006)のいずれについても残存歯0群の方が悪く、有意な差が認められた。

また残存歯0群は残存歯28群に対し、ACR/EULAR新基準で関節リウマチに分類される比率が1.9倍と高かった。発症後1年以内にステロイドを使用した割合も、残存歯数が少ないほど高い傾向が見られた。

 Pablo氏は、「残存歯数が少ないほど、炎症性関節炎の疾患活動性が高いことが示された。歯をすべて失っていても歯周病の影響は持続していて、何らかの炎症プロセスが関節炎の疾患活動性に影響を及ぼしている可能性が示唆された」と話した。

(日経メディカル別冊編集)