米国では高血圧治療に関する議論が続いているが、「Hypertension」オンライン版に2月1日掲載された新たな研究では、高血圧治療の遅れが患者の脳卒中リスクを上昇させると主張している。2014年、米国高血圧合同委員会第8次報告(JNC8)によりガイドラインが改定され、60歳以上の患者に降圧薬の処方を開始すべき血圧値が、それまでの収縮期血圧140mmHgから150mmHgに変更された。この改定はすぐに議論を呼び、米国心臓協会(AHA)は治療の遅れに対する懸念から新ガイドラインに強く反対している。米マイアミ大学ミラー医学校のRalph Sacco氏らによる今回の研究では、多民族コミュニティにおける脳卒中リスクを検討した北マンハッタン研究(NOMAS)に参加した60歳以上の対象者1,750人のデータを収集した。脳卒中の2大危険因子である糖尿病、慢性腎疾患の患者はいなかった。約13年の追跡期間中、182人が脳卒中を発症した。
収縮期血圧140~149mmHgの対象者の脳卒中リスクは、150 mmHg以上の対象者と同程度であった。ヒスパニック系と黒人は特にリスクが高かった。
Sacco氏は、この知見は収縮期血圧140mmHg以上で薬物治療の開始を推奨する現行のAHAガイドラインを支持するものだと述べている。一方、米アイオワ大学カーバー医学校のPaul James氏は、今回の研究では降圧薬による副作用のリスクなどを考慮しておらず、収縮期血圧140~149mmHgの患者に対して生活習慣改善による治療を推奨するJNC8勧告を否定する確かな根拠にはならないと主張。また、この研究は観察データに基づくものであるのに対し、JNC8は臨床試験に基づいていると指摘している。
これに対し、AHA広報担当のMary Ann Bauman氏は、JNC8が根拠としている臨床試験では、高血圧の長期的なリスクについて完全に明らかにされていないと反論。また、JNC8ガイドラインの発行後に発表された新たな臨床試験(SPRINT試験)では、収縮期血圧を120mmHgまで降下させることにより、死亡、心筋梗塞、心不全および脳卒中の発生率が4分の1低減することが示されたと指摘している。James氏は、SPRINT試験のエビデンスレベルの高さを認め、血圧ガイドラインに関する今後のレビューで考慮に入れる必要があるとしている。
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ヘルスデージャパン
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6610:201628&catid=20&Itemid=98
「この数値だと健康」と言い切るのは難しいことだということを、改めて痛感させられました。ただ、少し血圧が高いからということで、すぐに薬物療法に委ねるというのは、個人的には少し抵抗があります。やはり薬物に頼らず、適度な運動や適切な食生活を実践して、一定期間経過を観察した上でも、遅くないような気がします。数値については、参考にしながらというのが、正しい付き合い方なのかもしれません