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ヘルスデージャパン
2型糖尿病患者では、早ければ2年ほどで脳への血流に障害が発生し、思考力や記憶力が低下する可能性があると、小規模研究で示された。脳の活動には十分な血液供給が不可欠だが、HbA1c(直近数カ月の血糖値の指標)が高いほど、血管の拡張に障害がみられることがわかったと、研究著者で米ハーバード大学医学部(ボストン)准教授のVera Novak氏は説明している。米国糖尿病協会(ADA)によると、2型糖尿病になると身体がインスリンを効率的に利用できなくなり、最終的には血糖をコントロールする十分なインスリンが作られなくなるという。インスリンは食物中の糖質の代謝に欠かせないホルモン。米国では2,900万人以上が糖尿病に罹患し、その多くが2型糖尿病だという。「Neurology」に7月8日掲載された今回の研究では、2型糖尿病患者19人、糖尿病でない人21人の計40人(平均66歳)を対象とした。研究開始時と2年後に思考力および記憶力の検査を実施。さらにMRIを用いて脳の血流量を調べるとともに、平均血糖値および炎症を評価する血液検査を行った。その結果、2年後の時点において、2型糖尿病患者では脳の血流量を必要に応じて調節する能力に低下がみられ、思考力や記憶力の検査スコアも低かった。学習と記憶の検査では、糖尿病患者の平均スコアは46点から41点へと低下していたのに対し、2型糖尿病でない人は2年経過後も平均55点を維持していた。2年という短期間で12%もの低下がみられた点が問題だとNovak氏は指摘している。
また、炎症レベルが高いほど血流調節も大きく低下し、これは糖尿病のコントロールが良好な人でも変わらなかった。2型糖尿病患者では血流調節機能が65%低下していることがわかった。糖尿病と細胞の炎症やストレスによる血管障害の関連を示唆する研究はこれまでにもあったが、今回の知見は、環境に対する血管反応性の変化が認知力低下の予測因子となることを明らかにした点が新しいと、ある専門家は述べている。Novak氏のこれまでの研究では、糖尿病患者はそうでない人に比べて脳年齢が平均5歳高いことが明らかにされている。2型糖尿病が脳の血流に影響を及ぼす機序を解明するには、さらに大規模な長期研究を実施する必要があると同氏らは付け加えている。
>>糖尿病は、歯周病にも影響を与えているというのは周知の事実ですが、今回の報告では、糖尿病による、脳への血流への障害が、全身への様々な影響を与えるということが、この論文でも報告されました。糖尿病では、血流調節機能が65%低下していると報告されており、これが脳の高齢化の要因のひとつになることが述べられています。具体的なメカニズムは、まだ解明されていないことから、更なる研究が望まれますね。