「死亡事故の全例報告を」 厚労省、特定機能病院の改善案まとめる

産経ニュース

http://www.sankei.com/life/news/151105/lif1511050040-n1.html

 

高度な医療を提供する特定機能病院の医療安全に関する厚生労働省の特別チームは5日、すべての死亡事故を院内の医療安全管理部門に報告することを義務づけるなどの改善案をまとめた。これを受け、厚労省は特定機能病院の承認要件の見直しや大学病院の管理体制のあり方などを検討。来年度以降に医療法を改正し、医療安全体制の確保などについて定める。改善案では、特定機能病院はすべての死亡事故を医療安全管理部門に報告することや、医療安全に関する匿名の内部通報を受け付ける窓口機能を設けることを義務化。難しい手術や手技を導入する際には、担当部門に事前に申請するなどのルールを国が示すとした。

>>続きはリンク先よりどうぞ   リスクの高い手術が、しにくくならなければいいですが、どうなのでしょうか。

「麻薬に依存した状態で治療」医師に懲役3年の実刑判決

YomiDr  http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=125371

医療用麻薬を自身に使ったなどとして、麻薬取締法違反(使用、所持)に問われた元八雲町立八雲総合病院医師、阿部正幸被告(55)(札幌市中央区)に対し、函館地裁は22日、懲役3年(求刑・懲役4年)の判決を言い渡した。
佐藤卓生裁判官は「麻薬に依存した状態で治療に当たったと認められ、悪質だ」と述べた。阿部被告は、即日控訴した。(続きはリンクから)

>>>「病院に行って診てもらおうと思ったら、先生が薬物中毒だった」というのでは困ります。これは精神安定剤でも常用だと問題がないとは言えないので注意が必要です。

医療連携と口腔疾患の重症化予防について意見―社会保障審議会・医療保険部会

医療経済出版

http://www.ikeipress.jp/archives/8639

9月11日、グランドアーク半蔵門において、第88回社会保障審議会医療保険部会が開催された。日本歯科医師会から出席している常務理事の遠藤秀樹委員は、医療連携および口腔疾患の重症化予防について、以下のように意見を述べた。

 

▼医療連携について

入院患者に対する口腔機能の維持管理、いわゆる歯科医療としての「口腔ケア」の重要性が認識されてきている。しかしながら歯科の設置されている病院は少なく、周術期口腔機能管理についてもその多くは病院歯科から算定されている。また、日本病院会からは歯科衛生士の活用について要望が出ており、病院における口腔機能管理を充実させるための医科歯科連携が求められている。歯科のない病院や、歯科があってもマンパワー不足の病院との連携については、個々の歯科診療所の対応も必要ではあるが、地域包括ケアシステム等の地域の中で連携システムとして対応することが有用であると考えられる。

また、高齢化の中で口腔疾患を持つ患者が入院・入所する機会も増加しているが、かかりつけの歯科医院で治療や維持管理を受けていた患者が入院・転院また施設への入所を繰り返すうちに必要な歯科医療の提供が途切れてしまう。継続した歯科医療が提供されるよう、退院支援のなかで歯科の連携を強化してほしい。

 

▼口腔疾患の重症化予防について

歯科における口腔疾患に対する定期的な維持管理は、歯の喪失を減少させ口腔機能を維持する。そして、口腔機能の維持は健康寿命の延伸につながるとされている。歯周疾患においては歯周病安定期治療があるが、制限もある。口腔疾患の維持管理には様々な対応が求められ、柔軟な対応が必要であると考えている。

 

>>以前にも報告しましたが、日本医師会より、医師の指示のもと、歯科衛生士が口腔ケアの指導を行うことで、医科が、歯科衛生実地指導料を算定できるようにできるよう、要望がありました。口腔分野については、その道の専門である歯科医師の指導は重要であると考えられます。医師の指示のもと、歯科衛生士が指導という図式については、慎重な議論が必要と考えられますが、その前に我々も、より積極的に、この分野に足を踏み入れていかなければいけないと思います。

電子カルテ、クラウド化推進…情報共有で費用減

Yomiuri online

http://www.yomiuri.co.jp/science/20150907-OYT1T50049.html?from=ycont_top_txt

 

厚生労働省は来年度、電子カルテの情報をインターネット上で管理する仕組み作りを推進する。病院や診療所が、外部のコンピューターにある電子カルテシステムを共同利用することで費用負担を減らし、巨大地震などによる情報喪失も防げるようにする。政府が成長戦略で掲げる、大病院の電子カルテ普及率を現行の60%から90%に引き上げる目標の達成につなげる。インターネット上のコンピューターでデータを管理する仕組みは「クラウド」と呼ばれる。医療機関が別々に電子カルテを導入するよりも、クラウドを利用した電子カルテシステムを共同で使う方が費用を抑えられる。

厚労省は来年度、このような電子カルテシステムを地域内やグループ内の複数の医療機関で共同利用する5~7のモデル事業に助成する。病院や診療科が異なると、医師がカルテに入力する診療情報は異なるため、共同利用しやすいシステムをサービス提供企業と開発してもらう。開発されたシステムの内容を公開し、全国での利用を促す。同省は予算の概算要求に約4億円を盛り込んだ。

>>予算の概算要求で4億円となっていましたが、インターネット上での共用というのが、引っかかる点がありますね。カルテは個人情報がつまったものであり、万が一でも流出した場合の責任問題というのは、1病院で負えるものではありません。ネット世界では、ネット銀行での貯金の盗難や世間を騒がせた、年金情報漏えい問題など、セキュリティーの問題が多数表面化しています。この事を充分に踏まえたうえで、検討をお願いしたいですね。

受診待ち時間、27%が「不満」 厚労省調査

産経ニュース

http://www.sankei.com/life/news/150908/lif1509080028-n1.html

 

外来患者の約27%が診察を受けるまでの待ち時間に不満を持っていることが8日、厚生労働省が公表した平成26年の「受療行動調査」で分かった。治療内容などを含めた全体の満足度は、約58%が「満足」と回答した。調査は3年に1回実施。全国の488病院を対象に外来・入院患者約15万3千人から有効回答を得た。

調査結果(小数点第2位以下を四捨五入)によると、待ち時間に「非常に不満」と回答したのは7・6%。「やや不満」(19・7%)と合わせて27・4%に上り、前回調査(23年)と比べ1・9ポイント増えた。これに対し、「非常に満足」と「やや満足」の合計も「不満」とほぼ同じ28・1%だった。実際の診察や検査までの待ち時間は、1時間未満が69・2%(前回65・5%)だった一方、1時間半以上待たされたケースが13・7%(同10・2%)と増加したことなどが要因とみられる。

 

>>医科での話題になりますが、やはり大きな病院となると、特に待ち時間が増える傾向にありますね。受け入れの人数の問題もありますが、基本的に予約制ではないのと、重症の救急患者が優先されるということが起きるケースもあるため、軽度の患者さんは後回しになる可能性もあり、待ち時間が長い事でイライラしているというのは、見かける光景ですね。ただ、医師の人員の問題や経営的なことも考慮に入れると、理想的に待ち時間をなくするというのは、難しいと思います。難しい問題ですね。

ファイザーに業務改善命令 副作用報告遅れ ほかに5社も

産経ニュース

http://www.sankei.com/life/news/150901/lif1509010018-n1.html

 

大手製薬会社「ファイザー」(東京都渋谷区)が製造・販売する抗がん剤など11種類の薬の重い副作用を国に報告していなかったとして、厚生労働省は1日、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、同社に業務改善命令を出した。副作用の報告の遅れは平成20年10月以降、最長で約6年5カ月間、計269件に上った。死亡例も9件あったが、同省は「副作用との因果関係は考えにくい」としている。同省によると、同社の営業担当社員約90人は医師らと面談後、面談記録を保存するシステムの備考欄に重い副作用例を記載しながら、安全管理担当部門に報告していなかった。上司らも記載を見落とし、症例ごとに義務付けられた期限内の報告が行われていなかったという。

 

>>続きはリンク先よりどうぞ  副作用は仕方ないにしても、わかり次第、早期に報告はしてもらいたいですね。

ベリリウム曝露で慢性ベリリウム症や肺がんのリスク上昇 ―米国で労働規則の改正案が

ヘルスデージャパン

http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6120:2015817&catid=20&Itemid=98

 

米国政府が、肺疾患の原因となる金属ベリリウムへの労働者の曝露を大幅に低減するための新たな基準を提案した。米国労働省、労働安全衛生局(OSHA)によるこの新たな規則は、約3万5,000人が対象となり、年間100件の死亡、50件の重篤疾患を予防できると考えられる。ベリリウム粒子を吸入すると、慢性ベリリウム症と呼ばれる治療不能の疾患を発症することがあるほか、肺がんのリスクも上昇するという。ベリリウムへの曝露は、鋳造や溶錬、酸化ベリリウムを含有するセラミックや複合材料の製造、歯科技工室での作業などに携わっている労働者で多い。また、ベリリウムは核兵器の構成要素としても不可欠である。

現在、8時間のベリリウム曝露限度は空気1m3あたり2.0μgとされている。新たな基準では、これを0.2μgまで引き下げるとともに、保護具の使用や健康診断およびその他の医学的モニタリング、研修などによる労働者保護の強化も要求する。この新たな基準の必要性が提言されたのは2012年のこと。米国最大手のベリリウム製品メーカーMaterion社と、ベリリウムを扱う労働者を代表する鉄鋼労働組合が共同でOSHAに対し要求を行った。米国労働長官のThomas Perez氏は、「この提案は多くの命を救うとともに、何千人もの労働者の健康維持と生産性の向上に役立つはずである」と述べている。OSHA労働次官補のDavid Michaels氏は、今回の産業と労働者の連携は多数の命と肺を守る歴史的な機会をもたらすものであるとして、他の業界でも、産業と労働者団体が協力して有害物質曝露の低減を目指すことを政府として期待すると述べている。

今回の新たな基準は、原材料に含まれるごく微量のベリリウムに曝露する一部の作業者は対象としていない。例えば、石炭燃焼を用いる火力発電所やアルミニウム製造会社の従業員などがこれに該当する。また、建設業や造船業で石炭スラグを用いた吹き付け作業を行う人も新たな基準の対象にはならないという。

>>ベリリウムへの曝露は、酸化ベリリウムを含有するセラミックや複合材料の製造、作業などに携わっている労働者が問題となっていますが、歯科技工士さんについては、大きな問題となる曝露になっているというわけではなさそうです。ただ、曝露自体については、きちんとした調査がなされることが必要であり、この法案については、アメリカでのケースですが、必要に応じて日本でも、きちんとした調査をしてもらい、しかるべき対処がなされることを望みます。

製薬会社によるFDAへの有害事象の報告は遅れがち

ヘルスデージャパン

http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6093:fda201586&catid=20&Itemid=98

医薬品により患者に深刻な害が生じたとき、製薬会社がすぐに保健当局に報告しないケースが多いことが、新たな報告で示唆されている。研究著者である米ミネソタ大学公衆衛生学部のPinar Karaca-Mandic氏によると、製薬会社が所定の期間内に米国食品医薬品局(FDA)に有害事象を報告しない比率は約10%にもなり、なかでも患者の死亡が絡む場合は特に報告が遅れる傾向があるようだという。研究の付随論説を執筆した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のRita Redberg 氏は、「米国の人々が飲んでいる医薬品の安全性を保証するのがFDAの役目。有害事象の報告の提出が遅れれば、安全性に関する警告の発行も遅れ、多くの人が危険な薬をそうと知らずに飲むことになる」と指摘している。

 

>>続きはリンク先よりどうぞ  難しい問題ですね

医師不足じわり解消、10年後に先進国平均に

yomiDr  http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=120585

日本の人口10万人あたりの医師数が10年後、先進国が主に加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均を上回るとの推計を厚生労働省がまとめた。医学部の定員増などで、先進国の中で低水準という長年続いた状況から抜け出す見通しとなった。地域や診療科によっては医師不足が続く可能性もあり、厚労省は夏以降に有識者会議を設け医師養成のあり方を検討する。(続きはリンクから)

>>>医師も歯科医師と同じような過剰状態にならないよう、うまく調整してもらいたいものです。

術後の合併症は同じ病院で治療した方がよい?

http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=5984:2015629&catid=20&Itemid=98

ヘルスデージャパン

外科手術を受けた患者で退院後に合併症が生じた場合、最初の手術を受けた病院と異なる病院に再入院すると、死亡するリスクが高くなることが新たな研究で明らかにされた。

今回の研究では、2001~2011年に12の主要な外科手術のうちいずれかを受けたメディケア加入患者数百万人の情報をレビューした。約5人に1人が30日以内に合併症で再入院していた。合併症の生じた患者の83%は手術を受けた病院に再入院しており、同じ病院に入院することにより、90日以内に死亡するリスクが26%低下することがわかった。このリスク低下の大きさは、手術の種類により44%(膵臓の部分切除または全摘出)から13%(心バイパス術)と幅がみられた。また、同じ外科チームによる治療を受けた場合は結果がやや向上することもわかった。ただし、今回の研究では因果関係は明らかにされておらず、このような関連がみられる理由もわかっていない。この研究は、「The Lancet」に6月18日掲載された。

 

研究の筆頭著者で米ユタ大学助教授のBenjamin Brooke 氏は、「手術の種類よって5~22%の患者が再入院している」と指摘し、「術後に合併症をきたした場合に最善の結果を得るためには、できる限り同じ病院で、同じ医療チームによる治療を維持するよう努めることが重要だと示された」と付け加えている。米国では「国内医療ツーリズム」が増える傾向がみられることから、この知見は重要なものだと研究グループはいう。一部の大手企業は、国内有数の病院で安く手術を受けられるよう交渉し、自社の社員にその病院で複雑な待機手術を受けることを勧めている。このようなケースでは、病院が患者の自宅から離れており、合併症を起こしても再度同じ病院に行くことが難しい場合が多い。「多くの人は、遠い場所で手術を受けることがどういうことかを考えていない。多くの医療上の決断と同様、得るものと失うものを考慮すべきである。遠くへ行くことによって手術で望ましい結果が得られるかもしれないが、退院後に重篤な合併症が生じた場合は最善の治療を受けにくくなることがある」と、上席著者で同大学教授のSam Finlayson氏は述べている。

 

>>この問題については、この結果だけで判断できにくいという問題もありますが、総括的には、非常に難しい問題だと思います。前回のオペを担当してもらった病院では、状況把握が迅速にできやすいのは、当然のことながら、セカンドオピニオンを求め、納得のいく医療の提供をしてもらえる病院に今後を委ねたい気持ちも、当然ですが理解できます。我々も、患者に納得してもらえる医療の提供を行えるよう、日々研鑽していかなければならないですね。