1940年以降に医学部を卒業した放射線科医では、低線量の放射線への慢性曝露による死亡リスクの上昇はみられないとの報告が、「Radiology」オンライン版に7月19日掲載された。米国立がん研究所(NCI)放射線疫学部のAmy Berrington de Gonzalez氏らの研究で、放射線防護、安全装置、モニタリングの向上が寄与している可能性があるという。同氏らは、米国医師会(AMA)の医師マスターファイルの記録を分析した。このデータベースは1906年に作成され、140万人超の米国の医師、レジデント、医学生に関する情報が含まれている。同氏らは、1916~2006年に医学部を卒業した放射線科医約4万4,000人と精神科医約6万5,000人のがん発症率と死亡率を比較した。精神科医を選択したのは、仕事中に放射線に曝露される可能性が低いためだという。
その結果、1940年以前に医学部を卒業した放射線科医の男性では、急性骨髄性白血病、黒色腫、非ホジキンリンパ腫など、放射線曝露に関連する疾患による死亡率が高かった。一方で、1940年以降に卒業した放射線科医の男性では、精神科医に比べて全死亡率は低く、放射線関連の死亡率の上昇は認められなかった。共著者であるNCIのMartha Linet氏は、「健康リスクが上昇するという結果の大半には、昔の放射線科医が関連していた。近年では被曝する線量の減少が功を奏し、リスクは低減したと思われる」と述べている。(HealthDay News 2016年7月19日)
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ヘルスデージャパン 2016.7.28
http://healthdayjapan.com/2016/07/28/12983/
1940年代の放射線科医については、放射線曝露に関連する疾患にかかるリスクが高かったとされていますが、現代の放射線科医では、このリスクについて、問題ないという結論になっています。レントゲンなどで、放射線と関わりある我々にとっても、これは安心させられるデータではないでしょうか。更なるリスク軽減の研究が進むことが望まれますね。