毎日新聞http://mainichi.jp/select/news/20141118k0000e040192000c.html
適切な健康・医療情報を入手し、活用する能力(ヘルス・リテラシー)について、日本は欧州に比べ低いことが、聖路加国際大の中山和弘教授(看護情報学)の調査で分かった。調査に協力した日本人の8割以上がヘルス・リテラシーが足りないと判定された。欧州の複数の大学や研究機関はヘルス・リテラシーを、「簡単」「難しい」など5段階で評価する47項目の質問票を開発。2012年、オランダやドイツなど8カ国の計約8100人を対象にした面談調査を公表した。中山教授は質問票を和訳し、調査会社に登録する20〜69歳の1054人を対象に、インターネットで調査した。例えば、半数近い日本人が、医師の説明を理解することに「やや難しい」「とても難しい」と回答したが、欧州では15%にとどまった。メディアで流れる健康リスクに関する情報の判断も、「やや難しい」「とても難しい」と答えた日本人は3分の2に達した。これらの回答を数値化した総合評価では、ヘルス・リテラシーが「不足」「問題あり」と分類された人の割合は85.4%で、欧州平均の47.6%の約1.8倍も高かった。中山教授は「調査手法の違いなどを考慮しても、差が大きい。欧州は1980年代から市民と行政が一体で『健康都市』づくりを推進している。日本では、医師ら伝える側にも課題はあるが、自分の健康は自分で守ることが原則。市民が主体的に学び合う場や、専門家から情報を得て行動に移す環境の整備が重要だ」と話す。