http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2014092302000175.html
東京新聞
発熱やだるさなど、重い副作用を伴う注射薬インターフェロン(IFN)を使わず、二種類の内服薬を組み合わせるC型肝炎の新しい治療法が、今月三日から始まった。他の病気の影響でIFNによる治療を受けられなかった人に治療の道が開けた。来年以降も別の治療薬が次々と発売される見通しだ。 (佐橋大)
内服薬はC型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑えるダクラタスビルと、アスナプレビルの組み合わせで、三日から発売された。治療は二十四週、この二つを毎日飲む。
HCVはウイルスの遺伝子型などで、薬の効きやすさが異なる。国内のC型肝炎患者の約七割が、IFNが効きにくい1型のウイルスを持つ。患者の高齢化が進み、副作用が出やすくなっている上、うつ病や貧血、重い心臓病などで、IFNが使えない人も多い。
新しい治療法は1型の慢性肝炎などの患者で、他の病気により、IFNが使えなかった人や副作用で治療を中止した人、効かなかった人も対象になる=表(上)。
こうした患者二百二十二人への臨床試験では、平均して約85%が、治療から二十四週後もウイルスが排除され、「著効」と判断された=表(下)。肝障害などの副作用で5%は治療を中止したものの、その八割でウイルスは消えていた。
昨年導入された最新のIFN治療(飲み薬のシメプレビルなど三種の薬剤を併用)も1型の患者向けで、名古屋市立大大学院医学研究科教授の田中靖人さん(47)によると、薬の効きやすい遺伝子の人や、以前の治療で一度ウイルスが減った人の九割以上が効く。一方、以前のIFN治療で効かなかった人は五割程度しか効かないが、新しい内服薬治療では約九割と高い。
田中さんは「IFN治療の効果が期待できる人は三剤併用療法で。従来の治療法を受けられなかった人や効かなかった人は、ウイルスの遺伝子を調べ、効果が期待できれば内服薬の治療で」と方向性を示す。
ウイルスの遺伝子を調べるのは、特定の変異があると内服薬の治療で効く率が約四割になるためだ。影響を及ぼす遺伝子は主に三カ所あり、「約15%の患者のウイルスで変異が見つかっている」と田中さん。
日本肝臓学会も治療前に調べて変異があれば、治療を待つことも選択肢とするよう指針で示している。変異のある人は、治療を受けても効かない可能性が高い。加えて治療中に新たに遺伝子が変異し、来年後半にも実用化される、さらに効果が高いとみられる別の内服療法も効かなくなる可能性があるからだ。
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C型の慢性肝炎は時がたつと、肝硬変や肝がんに移行する。線維化が進んだ状態では、年間5~7%の人が肝がんになる。「次の治療法を待つか、今ある治療法のどれで治療するかは、ウイルスの遺伝子変異や量、患者さんの肝臓の状態などから総合的に判断する」と田中さんは説明する。
内服薬の治療は、三割負担でも月十三万円と高額だが、毎月の患者負担が原則一万円になるC型肝炎の医療費助成の対象になる。
IFNが効きやすい2型のウイルスを持ち、IFN治療を受けられなかった患者向けにも、別の飲み薬の組み合わせが、近く承認される見通しだ。
<C型肝炎の治療法の進歩> 1992年に実用化されたIFN単独の治療法では、効きやすい2型の患者への著効率は約55%だったのに対し、1型は5%。その後、他の薬との併用などで、IFNを用いた治療法の著効率は2型で90%、1型で89%に上がった。
>>これは朗報かと思います。C型肝炎を罹患されている方では、高齢やその他の持病の影響で、インターフェロン(以下IFN)の投与が難しいケースも多く、この内服薬で、IFNよりも高い治療効果を期待できる可能性があるというのは、非常に価値があるかと思います。副作用や、その他を長期的に観察する必要性がまだありますが、C型肝炎の新治療法の1つと十分なりえると思われます。今後に、要注目していきたいと思います。