http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20140326-OYT8T50104.html
読売新聞
海上自衛隊から神奈川歯科大(横須賀市)に国内留学している歯科医官の有井丈朗さん(35)が、過酷な災害現場で活動する自衛隊や警察、消防などの作業者がマウスピースの装着でストレス軽減を図れるとする研究結果をまとめた。
2月に東京都内で開かれた防衛衛生学会で発表した。
有井さんは東日本大震災に派遣された同僚から、過酷な災害現場の作業では心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす可能性もあると聞き、2012年11月から、派遣先の神奈川歯科大で視覚から受けるストレス軽減の研究を始めた。
同大は災害医療歯科学を推進するためセンターを設置するなど研究の基盤があり、ガムをかむことで音によるストレスが軽減されるという小野塚実名誉教授の実験データも参考にした。
米大リーグの野球選手や米軍兵士が、ストレス軽減のためガムをかむことは知られているが、日本人には災害現場で作業をしながらガムをかむことに抵抗感があり、周囲の被災者にもマナー違反と誤解を与えることから、ガムの代用品として身近にあった歯科治療用マウスピースに着目した。
20歳代の男性30人に、不快と感じる傷ついた人体を再現したコンピューターグラフィックスを見せ、石こうの歯型にビニール系樹脂をかぶせて作ったマウスピースを装着している時と、していない時の脳活動を近赤外分光(NIRS)を用いた装置で計測、比較した。その結果、マウスピースをかむと不快を意識する脳活動が抑制される効果があることが分かった。
歯科治療用マウスピースは主に歯ぎしりから歯を守るために使われている。樹脂や歯型を取る石こうなど普通の歯科医院が持っている材料があれば、2時間ほどで作製可能で、厚さ1ミリ程度が一番自然に装着できるという。
有井さんは「実用化に向けて詳細なデータを増やしたい。現場で苦労する自衛隊員らを少しでもサポートできたら」と話している。
>>マウスピースについては、いわゆる「フラセボ効果」についても考慮がいるとの報告もありますが、マウスピースを装着することで、噛み合わせのバランスがよくなった場合、力を発揮しやすくなると言うのは、多数論文でも報告されています。マウスピースについて、国民の方々に今後も深く知ってもらうことは、我々の重要な課題のひとつと考えられますね。