TPPと日本の医療ーーーこれまでの経緯

1年前の記事ですが・・・・・基礎知識としてお読みください。

JA全中 月刊JA 2012年2月号 http://www.zenchu-ja.or.jp/public/684.html

出典 藤原秀臣(日本農村医学会理事長、土浦協同病院名誉院長)月刊JA 2012/02

【これまでの経緯】

  TPP(Trans-Pacific Partnership=環太平洋連携協定)には現在、アメリカを含む9か国が参加している。TPPは唐突にマスメディアに登場したかに見えるが、もともとシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国が2006年に締結した経済連携協定(EPA)であったものへ、アメリカが参加表明したことでにわかに脚光をあびることになったようである。それを受けて野田佳彦首相が11年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加し、その席上で日本のTPP交渉への参加方針を表明したことにより、日本においても具体化の方向に急速に舵が切られた感がある。

  TPPは、例外を認めない徹底した関税撤廃という高いハードルを掲げているEPAである。TPP参加になれば、これまでの2国間EPAで関税撤廃例外扱いであった米等の農産物の市場開放により日本の農業が混乱に陥るのみならず、経済や産業、金融、医療など多くの分野においてもさまざまな不安要因をかかえることになる可能性がある。

  穿った見方によれば、TPPは、アメリカ・オバマ政権の雇用拡大、輸出拡大をねらった財政再建とアメリカの国際政治戦略の一環であると考えられている。すなわち、アメリカがこれまで長年にわたって執拗にねらってきたアジアへの覇権、日本での市場拡大そして経済成長がめざましい中国への牽制が根底にあると見るのが妥当であろう。

  日本においてはすでに小泉政権時代にアメリカがもくろんだと思われる郵政民営化は実現され、次のターゲットは日本の医療保険(民間保険)、JA共済だとされている。すなわち、日本の医療と農業がアメリカの国際戦略、アジア戦略に呑 み込まれることが懸念される。

  TPPは直接的に医療の分野には言及していないようだが、これまでの日米2国間の経済協議においては、医療の分野は投資や人や物の移動などに関して医療ビジネスとして論じられてきた経緯があり、何らかの形でそれが表面化してくる可能性を秘めている。その議論・協議の過程で、日本の高齢化社会が医療ビジネスの市場拡大となりうると分析し、医療分野をアメリカの日本への経済進出の足がかりとみなしているようだ。

  とくに、医療サービスという項目では、混合診療の解禁、医療への企業参画、高度医療機器による検査の外部委託の推進等を提言しており、事実小泉政権ではその方向性を追随し、混合診療の部分的解禁などの医療分野における規制改革が実践された経緯がある。

以下、項目を抜粋。  http://www.zenchu-ja.or.jp/public/684.html ここに掲載されています。

【医療の分野におけるTPPの影響】

(1)混合診療の解禁について

① 外国承認新薬・保険外医薬品、治療手技に対する規制緩和

② 私的医療保険の市場拡大

(2)医療への企業参入について

(3) 医薬品、医療機械・機材の輸入の自由化について

(4)人材流入・流出の自由化について

【混合診療について】

【医療機器・機材について】

【医療における人的資源について】

【医療への企業参入について】

【まとめ】