健康百科 http://kenko100.jp/news/13/03/01/01
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)看護学部のPaul M. Macey准教授らは、睡眠中に数十回以上、呼吸が止まる「閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸」の患者は、男性よりも女性で脳の全体的な損傷度が大きいとの研究結果を、米医学誌「Sleep」(2012; 35: 1603-1613)に発表した。
意思決定や感情調節の領域で影響大
閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠中に舌の根元や上顎の奥が下がって気道をふさぎ、呼吸が止まる病気。一晩に10秒以上の無呼吸が30回以上ある場合をいい、自覚しない睡眠不足から交通事故などを起こすことが社会問題化しているが、それだけでなく、高血圧や不整脈、心不全、脳卒中、糖尿病、うつ病などを引き起こすこともある。
Macey准教授らは、UCLA睡眠研究所で閉塞性睡眠時無呼吸と新たに診断された患者30人(女性10人、男性20人)と健康な50人(同20人、30人)を対象に、脳の内部(白質)の損傷度を検討した。
その結果、閉塞性睡眠時無呼吸の患者では男性よりも女性で脳損傷度が高く、意思の決定や感情の調節に関わる帯状束や前帯状回皮質などの領域で大きな影響を受けていた。さらに、男性よりも女性でうつや不安の症状が重いことも示されたという。
以上のことから、Macey准教授らは「女性の閉塞性睡眠時無呼吸は、男性のものとかなり異なっている。実際、今回の研究では、女性が受ける影響は男性より大きく、同じ条件での脳損傷度は、男性より女性で大きいことが明らかになった」と結論。女性でより早期の治療が必要とした上で、「閉塞性睡眠時無呼吸が脳損傷を引き起こすのか、それとも逆に脳損傷が睡眠障害を引き起こすのか、それともうつ、認知症、心臓病、脳卒中などが脳損傷を引き起こし、それがさらに閉塞性睡眠時無呼吸を引き起こすのかについては、まだ分かっていない」と指摘している。
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