中日メディカルサイト http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130301143039492
患者に貢献できて初めて医療
歯のインプラント医療で最も権威ある米国の国際学術誌に投稿した論文が、年間に掲載された150編の中で最優秀賞に選ばれた。手がけるのは歯の神経(歯髄)から骨のもととなる幹細胞を取り出し、あごに移植する研究。「できるだけ早くこの方法を実用化させたい。医療は患者に貢献できて初めて医療だから」
インプラントをする際、歯槽膿漏(のうろう)などであごの骨が薄くなっていると一般的には本人の腰の骨を移植する。しかし腰の骨を削るには全身麻酔を伴う大手術になる。「負担が大きいので患者さんの8割が諦めてしまう。何とかしたかった」
動物実験で歯の幹細胞からあごの骨を再生させることに成功。その成果を今回の論文にまとめた。今後は臨床試験を視野に入れる。
愛知県武豊町の出身。大学4年のときに父親をがんで失った。「何もできない自分に腹が立った。人を直接助けられるような仕事につきたい」。広島大工学部卒業後に大阪大歯学部に編入し、進む道を変えた。
「この方法はiPS細胞で注目を集める再生医療。この分野に貢献できることがうれしい」。病院に勤務しながら研究を続ける毎日だ。46歳。(中村禎一郎)
>>>冒頭の言葉、重みがあります。