歯のインプラント手術で後遺症

福井新聞  http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/medicaldoctor/37643.html

1年前に歯のインプラント手術をしました。麻酔の注射が神経を傷つけたらしく、下あごと下の歯茎がこわばり、しびれ、まひの後遺症が残っています。薬や電気で治療しましたが、一向に改善しません。インプラントを外すと、しびれは治るのでしょうか。何年かたつと回復するのでしょうか。インプラント手術のトラブルやよい対処法、セカンドオピニオンを受けた方がいいかを教えてください。(福井市、63歳女性)

 【お答えします】 山口 智明県済生会病院口腔外科医長

! まず刺激を受けた原因を特定

 下あごや下唇のしびれの症状は、下顎(かがく)臼歯部の歯科治療(局所麻酔、抜歯、根管治療、嚢胞(のうほう)摘出、インプラント手術など)を受けた後の合併症として、しばしば遭遇する症状の一つです。下顎骨内部を通る神経に対し、種々の刺激を加えた後に出現する症状です。刺激の程度や刺激を受けた後の神経の状態により、しびれの範囲や程度に差があります。

 ご質問の内容からですと、局所麻酔の注射針が神経を傷つけたとのことですが、まず局所麻酔時に受けた刺激で起きたしびれか、インプラント手術時に受けた刺激で起きたしびれかを特定できればと思います。

 局所麻酔時に受けた刺激が原因であれば、注射時に針が神経幹に直接触れる非常に強い痛みを感じたのではないかと予想します。インプラント手術時に受けた刺激であれば、手術中、特にドリリング時(インプラントを入れる穴の形成)やインプラントを入れる時に、ドリルやインプラントが神経幹に直接触れる痛みを感じたのではないかと予想します。

 インプラントが直接神経を圧迫している所見があれば、インプラントを抜去すべきと判断します。これはレントゲン写真でおおむね把握できます。

! 適切な治療で一定程度回復

 刺激を受けた後の状態によって▽神経束完全断裂(神経自体が完全に切れた場合)▽部分的神経断裂(神経自体が一部切れた場合)▽軸索(じくさく)断裂(神経の周囲をカバーしている部分が切れた場合)▽一過性局在性伝導障害(神経への刺激がうまく伝わらない場合)-の四つに分類されます。

 いずれの場合も神経に対する治療が理想的に行われれば回復が期待できますが、受けた刺激や刺激を受けた後の神経の状態や年齢などさまざまな要因で、回復の程度や要する期間は変わってきます。

 治療は手術療法と薬物治療と理学療法(温罨(おんあん)法、マッサージ、レーザー、星状神経節ブロック)があります。

! 手術前の確実な診断が重要

 インプラント手術のトラブルは多数さまざまですが、それらの回避には▽手術前の口腔(こうくう)内所見・画像所見、全身状態、生活習慣などからインプラント治療の適応・非適応を確実に診断▽適切な手術方法・手術材料の選択▽起こり得る合併症の予測とそれらを回避する手段の考慮-が必要かと思います。

 術中の所見や手術前後のレントゲン写真などを参考に、担当の先生としびれの原因特定や治療法について再度相談されてはいかがでしょうか。セカンドオピニオンをお受けになる場合には、手術前後のレントゲン写真など今回の治療の経過を把握できる資料を持参されると良いかと思います。

進化する「お薬手帳」 スマホ版や防災用も登場 健康管理に積極活用を

47news

進化する「お薬手帳」 スマホ版や防災用も登場 健康管理に積極活用を
http://www.47news.jp/feature/medical/2012/10/post-768.html

 

 

医療機関から処方された薬の名称や服用履歴などを記録する「お薬手帳」が進化している。調剤薬局で受け取ることができ、A6判サイズが多いが、スマートフォン(多機能携帯電話)で服用管理ができる電子版をはじめ、災害時に心強い防災型や子どもの健康づくりに狙いを絞ったものも登場した。大切なのは複数持たず一つに絞ること。使い方次第で普段も災害時も健康管理に役立つ強力なツールになる。

▽常時携帯
お薬手帳はもともと、高齢者への処方薬の重複や有害な組み合わせなどを避ける目的で使われていた。しかし国が今年4月、全年齢層に普及を進める内容に診療報酬を改定したため、薬局は手帳の配布に従来より熱心に取り組むようになった。
調剤薬局大手アインファーマシーズ (本社札幌市)は、お薬手帳のスマホ用アプリ(応用ソフト)をNTTドコモと共同開発。7月から全国約500の薬局で患者に提供している。
専用アプリをスマホでダウンロード後、調剤明細書に印刷されたQRコードを読み込むと、薬の情報が保存される。飲み忘れ防止アラームやインターネットでの薬の情報検索、1台で家族全員の薬が管理できるなど、スマホらしい機能もある。
ただ、この電子版単独では薬局にとって診療報酬上の収入にならないため、同社は紙の手帳とセットで発行。「常に持ち歩くスマホの携帯性を生かし、紙と同じ情報がいつでも見られる付帯サービス」(月岡良太・学術課長)との位置付けだ。10月上旬現在のダウンロード数は約3700。アプリはアンドロイド向けが先行したが、iPhone(アイフォーン)向けも近く公開予定だ。
▽震災で注目
国がお薬手帳の普及強化を進めたきっかけの一つは東日本大震災。被災地の避難所などでも、手帳を持っていた人は比較的スムーズに診療を受けられたことが明らかになり、正確な情報を手軽に確認、共有できる手段として注目を浴びた。
静岡県薬剤師会 などは今年3月「防災型お薬手帳」を作製。巻末に防災情報や避難の心得などを載せた。表紙は防水仕様とし、発光印刷で停電時も見つけやすくするなど震災の教訓を生かした。
県のモデル事業で作った10万冊はすぐになくなり同薬剤師会で25万冊増刷したが、既に大半が売れた。個人向けの販売はしないが、県外でも薬局や医療機関には100冊単位で販売するという。
▽情報を1冊に 薬の記録を一歩進めて、子どもの健康づくりに活用できる手帳をと、子ども用の「けんこうキッズ」を企画制作したのが、平井康之九州大准教授が代表を務める研究グループ「こども×くすり×デザイン実行委員会」。
氏名、住所、生年月日、血液型、アレルギーや副作用の経験、かかった病気の記録など、通常のお薬手帳にもある基本情報記入欄に加え「平熱は?」「排便は?」「睡眠は?」など、普段の健康観察ポイントや変化の見つけ方なども盛り込んでいる。調査研究段階から手帳づくりに協力した福岡市のNPO法人「こどもとくすり」 (中村守男代表)を通じ薬局や病院に販売。発売から2年余りで4万冊が売れた。
これらユニークな手帳が手に入らなくても、自分で必要な情報を書き込むことでお薬手帳の利用価値は高まる。処方薬だけでなく、自分で買った市販薬やサプリメント、薬に関して知りたいことをメモするのもお勧め。飲み合わせの確実なチェックのために情報は1冊にまとめ、できるだけ常時持ち歩きたい。(共同通信 吉本明美)

幼児の「受け口」矯正必要?

中日メディカルサイト   Q 幼児の「受け口」矯正必要?

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121017141728819

3歳の息子ですが、歯科医師に「受け口」になっていると指摘され、矯正を勧められました。3歳に矯正をさせるのも気が引けます。(女性・38歳)

A 永久歯が生えてからでも

顎の発育は上顎と下顎で異なります。上顎は生後から急速に成長し、10歳ごろから徐々に成長のスピードが緩やかになります。一方、下顎は体の成長に合わせて大きくなるので、上顎の発育よりも遅れます。顎の成長が終わるのは20歳前後ですので、3歳の時点で受け口と判断するのはやや早計かもしれません。骨格は両親に似るので、相談のケースでは、歯科医師がご両親の顎の形を考慮した可能性もあります。

顎骨の発育異常がある場合、早期に器具の装着によって顎発育の誘導を行うこともあります。しかし、最終的には顎矯正(手術)が必要です。加えて、長期間の顎への矯正力によって顎(がく)関節に影響を及ぼしやすいことや、器具を口の中に入れるストレスを子どもに強いるなどの理由で、今はあまり行われないようです。

受け口には、歯の位置が原因となる場合と顎の成長が関わる場合があります。前者は主に歯科矯正によって治療し、後者は顎矯正が主体です。手術による治療でも歯科矯正は必要ですが、手術前後の歯科矯正に対しては保険適用が認められています。

まずは、永久歯(特に第一大臼歯)が生え終わる7歳ごろに、再び歯科医院を受診して、かみ合わせを診てもらうのがよいのではないかと思います。(愛知学院大歯学部顎顔面外科学講座准教授・深野英夫氏)