Asahi net
http://www.asahi.com/health/hiketsu/TKY201210080233.html
歯磨き剤と言えば、チューブに入ったペースト状のものを思い浮かべる人が多いでしょう。実際は、粉から液体まで様々な形状があります。どう違うのでしょうか。
歯磨き剤の製造企業でつくる「日本歯磨工業会」(東京)によると、歯磨き剤は、形状によって「粉」「潤製」「練」「液状」「液体」に分類される。
粉歯磨きは、歯垢(しこう)や着色などの汚れを落とす研磨剤が成分の9割以上を占めるのが特徴。明治時代には主流だったが、大正になってチューブ入りの練りや、粉よりも湿り気がある潤製が登場。昭和以降は練りが主流になった。
同会のまとめによると、2011年には全体の約57%を占めた。残りは液体歯磨き(約17%)と、液体が主流の洗口剤(約26%)。潤製などその他の種類はわずか0・1%だった。
液体歯磨きと洗口液は、混同されやすいが、違いは使用時に歯ブラシで磨くかどうかだ。液体歯磨きは適量を口に含んだままか、口内に行き渡らせてはき出した後に歯を磨く。他の歯磨き剤と違って、使用後に口をすすぐ必要はない。
洗口液は歯を磨いた後、寝る前などに口に含んですすぐことで口内を殺菌し、口臭や歯垢の沈着などを防ぐための商品だ。
商品名も「○○リンス」や「××ウオッシュ」といった感じなので紛らわしく、形状もどちらも液体のため、見た目での判断がしにくい。だが、ラベルなどをよく見れば「液体歯磨き」か「洗口液」と明記されている。殺菌成分などを含む「医薬部外品」もあれば、含まないものもある。
液状歯磨きは「練り」と「液体」の中間で、ジェル状のものが一般的だ。サンスター広報室の鈴木久美子さんは「発泡剤を含まないため、電動歯ブラシで磨く時に使うといいですね」と助言する。発泡剤を含む練り歯磨きは、電動歯ブラシでは泡立ちすぎるからだ。
◇
歯磨き剤は形状のほか、歯垢除去や歯周病や口臭の予防、知覚過敏用など、目的に応じて使い分けるのも重要という。
また液体歯磨きには、災害備品の役割も期待されている。
日本歯科医師会常務理事の倉治ななえさんは「水不足の避難所生活では、歯のケアは後回しになってしまいがち。液体歯磨きは水が要らないので、防災用品の中に歯ブラシと一緒に入れておいて下さい」と勧める。
口内のケアが不十分だと細菌が繁殖し、虫歯や歯周病などの原因になる。歯周病は動脈硬化や心臓病のリスクを上昇させるとされる。さらに、細菌で汚れた唾液(だえき)や食べ物が気管に入ると、誤嚥性肺炎になる。高齢者は特にかかりやすい。
倉治さんは「助かった命を守るためにも、災害時には口のケアを心がけてほしい」と話している。(南宏美)