歯垢沈着で早期死亡リスク上昇

口腔内の衛生不良が がん死につながる可能性を示唆

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2012/M45330021/

〔ロンドン〕カロリンスカ研究所(スウェーデン・ストックホルム)歯学部門のBirgitta Söder博士らは「スウェーデン人1,390人を24年間追跡した結果,持続的な歯垢(デンタルプラーク)沈着により早期死亡リスクが上昇することが確認された」とBMJ Open(2012; 2: 2e001083)に発表した。同博士らは口腔内の衛生不良が感染症や炎症につながり,がん死をもたらした可能性があると推測している。

訪問歯科診療

みんゆうNet  http://www.minyu-net.com/kenkou/dental/120810den.html

 患者を考えシステム構築

 訪問歯科診療とは、歯科医師が自宅または施設などを訪問し、歯科診療を行うことをいいます。往診が、緊急的な応急処置を行うのに対し、訪問診療は、歯科医院と同様に系統的な治療を行うことです。要介護の高齢者や、重度の身体障害者ら、歯科医院に容易に行けない場合には、訪問診療を受けることができます。
 そのような患者に対して、県歯科医師会や地域歯科医師会では訪問診療のシステムを構築しています。
 対象者は、歯科医院に通院が困難と判断された方に限られますが、診療内容は、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の新製や調整、口腔(こうくう)ケアによる感染症の予防、摂食嚥下(えんげ)リハビリテーションなど多岐にわたります。
 訪問診療ではリスクが高い場合は、病院歯科への入院による短期の一括歯科治療を行う体制を整えている地域もあります。
 要介護の患者にとって最も危険なのは劣悪な口腔環境です。口腔環境が悪くなると、誤嚥性肺炎などを起こし、命に関わることも少なくありません。入れ歯を入れてかませてあげると、脳が活性化するともいわれています。仕方ないと諦めずに、まずは歯科医師会に連絡してみましょう。(県歯科医師会)

東日本大震災での歯科医師の活動まとめた本出版

朝日新聞デジタル  http://www.asahi.com/health/news/TKY201208090467.html

東日本大震災で遺体の身元確認に奮闘した歯科医師たちの活動などを記録した本「3・11の記録」がこのほど出版された。被災3県で震災直後から行った検視のルポや避難所での口腔(こう・くう)ケアのあり方などを紹介している。

 今回の震災では、延べ2500人の地元や被災地以外の歯科医師が身元不明遺体の確認に関わった。

 本では、遺体に残った歯の治療の跡を一つずつ丁寧に記録し身元確認に尽力した歯科医師の活動を紹介。津波被害でカルテの多くが流失し、困難を極めたことなどが描かれている。このほか、被災地での適切な口腔ケア指導や、歯科の仮設診療所がコミュニティー作りの再構築に寄与する必要性なども説明している。

 本をまとめた日本歯科医師会の大久保満男会長は「この活動記録が次の災害に生かされれば。地域のコミュニティーについて考えるきっかけにもして欲しい」と話している。「3・11の記録」は、歯科医療について作家や学者らと考察した「生活の医療」、「いのちと食」との三部作で出版されている。問い合わせは日本歯科医師会広報課(03・3262・9322)へ。

安易な考えは禁物 インプラントでトラブル 関係学会は対策に着手

47NEWS  http://www.47news.jp/feature/medical/2012/08/post-731.html

 歯を失ったあごの骨に穴を開けてチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けるインプラント治療でトラブルが相次いでいる。 中には神経まひなどの重い症状を起こした事例もあり、関係学会は実態を調べたり、治療内容を記録して患者が携行する手帳を試作したりと対策に着手した。専門家は「インプラント治療は外科手術。安易に考えないで」と呼びかけている。

▽教育ないまま
 インプラント治療は欧州で開発され、日本でも1970年代~80年代から広がった。隣接する健康な歯を削って人工の歯を挟むブリッジとは違い、ほかの歯に負担をかけずに済む。入れ歯に比べて強く物をかめるし、見た目がきれいなのも利点だ。費用は1本当たり30万~40万円とされる。
 だが、普及の仕方には問題があった。大学などで統一的な教育がないままに、メーカーが開業医を直接指導する形で広まった。そんな経緯が「治療水準に差がある可能性」(国民生活センター )を生んだとされ、同センターは昨年12月、2006年度から約5年間に腫れや痛みが残るなどのトラブルが343件寄せられたと発表した。
 主に大学病院の口腔外科医らで構成する日本顎顔面インプラント学会 の調査では、09~11年に74カ所の学会認定施設で計421件、重いトラブルを抱えた患者の治療が行われた。神経損傷によるまひが約38%を占め、鼻の横にある上顎洞と呼ばれる空洞へのインプラントの侵入、上顎洞の炎症が続いた。その大半は開業医から受けた治療に起因するものだという。
 ▽治療指針
 同学会は調査結果を踏まえ、異常を感じた患者が回復可能性のある早期に大学病院などでセカンドオピニオンを求め、トラブルの治療を始められるよう患者が携行するための手帳を試作、普及を目指すことにした。
 国内で使われているインプラントは数十種類あり、使用する器具も異なる。手帳にはインプラントの位置、大きさ、メーカー名など、トラブル対処に必要な情報の記入欄を設け、インプラント治療を行った歯科医に書き込んでもらう。骨粗しょう症薬などの服用者はインプラント治療で重大な合併症を起こす恐れがあるため、服用薬の点検欄も設けて注意を促す。
 インプラント治療に携わる開業医らが最も多く加入する日本口腔インプラント学会 は、治療前に確認すべき既往症や投薬状況などのチェックリスト案を公表した。治療指針もまとめ、8月末をめどに全会員に配布する。
 日本歯科医学会 も3月、インプラント治療の手術環境や事前の検査、患者への説明内容、事後のメンテナンスなどについて全国調査した。結果を踏まえて治療指針づくりに乗り出す考えだ。口腔インプラント学会などと連携し、治療内容を記入する患者用カードの作成も検討している。
 ▽賢い患者に
  インプラント治療は骨に穴をあける外科手術。例えば下顎なら骨の中に神経や血管が通っており、リスクが付き物だ。顎顔面インプラント学会理事長の瀬戸晥一・総合南東北病院口腔がん治療センター長は「入れ歯と同じ感覚では困る」と訴える。
 口腔インプラント学会理事長の渡辺文彦・日本歯科大教授は「自ら情報収集し、きちんとした技術を持つ歯科医を見極める賢い患者になってほしい」と話す。歯科医を選ぶ際には、各学会が独自の基準で認定する専門医の情報も参考になる。
 「インプラントは画期的な機能回復医学。高齢化社会で長く健康に暮らすために今後、重要な役割を果たす」(瀬戸さん)。専門家らは「素晴らしい治療法」と口をそろえ、悪いイメージの定着を懸念している。(共同通信 斎藤香織)