医師や歯科医師らでなる全国保険医団体連合会(保団連)は6日、厚生労働省で記者会見し、免疫の働きを利用する新型のがん治療薬「オプジーボ」の現行の価格が高すぎるとして、緊急に薬価改定を行うよう厚労省に要望したことを明らかにした。5日付で、書面で郵送した。オプジーボは国内で開発された新薬。一部の皮膚がんの治療薬として平成26年9月に発売が開始され、延命効果は高いが、患者1人への投与で年約3500万円かかるとされる。
保団連は英国機関の資料を分析した結果、オプジーボの薬価は米国では100ミリグラム約30万円、英国では約15万円で、日本(約73万円)の価格は米国の約2・5倍、英国の約5倍だったことが判明したと指摘。患者1人の年間薬剤費も日本の約3500万円に対し、英国約780万円、米国約1400万と国際的に高値で算定されているとした。このため保団連は、国民皆保険制度を維持しつつ、国民に良質な医療を平等に保障するためにも「薬価改定を行うのが適切だ」と要望。米英などの実勢価格を踏まえた水準に引き下げるよう求めた。
また、厚労省に対し、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の了承前の薬価原案について、算定経過などを公開することも、合わせて求めている。 保団連の住江憲勇(けんゆう)会長は「オプジーボは限られた医療財政を圧迫する要因になっている。薬価改定は喫緊の課題だ」と述べた。オプジーボなどの新薬をめぐっては、医療費高騰を抑制するため中医協で議論。薬価改定は原則2年に1度で、次回は30年度だが、厚労省は次回の薬価改定前に特例的に値下げする方針を示しており、年末までに結論を出す方針。
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産経ニュース 2016.9.6
http://www.sankei.com/life/news/160906/lif1609060026-n2.html
難しい問題だと思います。ただ、現行の制度のままでは、オプジーボが、医療費高騰や医療財政圧迫の大きな要因となることは間違いないかと思います。国民皆保険の制度は、限られた予算のなかで成り立っており、国民に良質な医療を平等に保障するために、他の国の薬価を参考に薬価改定を行うのというのは、適切かと思われます。今後に要注目ですね。