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虫歯は歯周病だけでなく、肺炎や心臓病、糖尿病などと関連することが指摘されている。しかし、がんに関しては虫歯が多いと逆にリスクが下がる可能性が出てきた。米ニューヨーク大学バッファロー校歯学部のMine Tezal氏(口腔=くう=生物学)らは、虫歯が多い人で口の中や喉、鼻などのがん「頭頸部(けいぶ)扁平(へんぺい)上皮がん」になるリスクが68%低下したとの研究結果を、9月12日発行の米医学誌「JAMA Otolaryngology – Head & Neck Surgery」(電子版)に報告した。
治療箇所が多い場合もリスク低下
Tezal氏らは、1999~2007年に米国内のがん治療施設で新たに頭頸部扁平上皮がんと診断された399人(症例群、平均年齢58.62歳、男性70.4%)と、がん患者でない221人(対照群、同54.35歳、39.4%)を対象に検討した。
その結果、虫歯の数は対照群の2.04本に対して症例群では1.58本と少なく、クラウン(かぶせもの)の数もそれぞれ2.10本、1.27本、歯内療法(歯の神経の治療)を受けた数も1.01本、0.56本、充填(じゅうてん=詰め物)の数も6.17本、5.39本と症例群で少なかった。ただ、歯の欠損の数(8.50本、13.71本)と歯茎(歯槽骨)が下がった度合い(2.44ミリ、4.03ミリ)は、症例群の方が多かったという。
治療箇所の数によって3つに分けて比べたところ、最も少ないグループに対して最も多いグループの頭頸部扁平上皮がんリスクは、虫歯で68%減、クラウンで54%減、歯内療法で45%減。充填や歯の欠損では差がなかった。
虫歯かがんか…
以上のことからTezal氏らは、虫歯が多いほど頭頸部扁平上皮がんになるリスクが下がると結論した。
なお、糖や酸を含む果物や野菜を食べると頭頸部扁平上皮がんになるリスクが下がることが分かっているが、同氏らは今回の研究について、果物や野菜を食べることが虫歯を招いた一方、頭頸部扁平上皮がんリスクを低下させた可能性を指摘。今後、食品別に虫歯と頭頸部扁平上皮がんリスクの関係を調べる必要があるとしている。
>>ちょっとびっくりした内容でしたが、とくに、どの要因が影響しているかという、もう少し具体的な裏づけ研究が必要な感じを受けました。虫歯か癌かの選択を迫られてしまう時代が来てしまうのでしょうか。