米国予防医療作業部会(USPSTF)は、心疾患リスクの高い50代に対して、心疾患と大腸がんのリスクを低減するために低用量アスピリン(一般的には81mg)を毎日服用することを勧告する。また、心疾患リスクの高い60代でもアスピリンが有益となりうるが、この年代では利益は小さくなるため、医師と健康状態を相談したうえで服用を決めるように勧めている。50歳未満および70歳以上では、リスクとベネフィットは明らかになっていないという。大腸がん予防を目的とした毎日のアスピリン服用を支持するガイドラインは2007年に初めて発行され、心疾患予防に関する勧告は2009年に発行されているが、両方を1つにまとめた勧告は今回が初めてだという。
注意すべき点として、たとえば50代に向けた勧告が適用されるのは、消化管出血のリスクがなく、10年以上の余命が見込まれ、低用量アスピリンを10年以上毎日飲み続ける意思のある人に限られる。しかし、全体としては、「心血管疾患リスクの高い50~69歳の人ではアスピリン服用が心筋梗塞、脳卒中、さらには大腸がんの予防にも有用である」と、USPSTF元メンバーで米スタンフォード大学教授のDouglas Owens氏は話す。USPSTF議長で米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)教授のKirsten Bibbins-Domingo氏は、「50~69歳の人は、一次予防を目的としてアスピリンの服用を開始する前に、医師に相談して自分の心血管疾患リスクと出血リスクを把握しておく必要がある」と指摘している。
この勧告はUSPSTFウェブサイトおよび「Annals of Internal Medicine」オンライン版に4月11日掲載された。心筋梗塞と脳卒中は米国の死亡原因の30%を占める。また、大腸がんは米国で3番目に多いがんであり、2014年には約5万人の死亡原因となっている。今回のガイドラインを受け、専門家らは、低用量アスピリンはリスク低減の要であり、適切な患者に熟慮のうえで使用すべきだと指摘している。
USPSTFは、低用量アスピリンは予防策の一部にすぎないと強調。食事・運動・喫煙などのほか、血圧値やコレステロール値も疾患リスクに影響を及ぼすと述べるとともに、大腸がん予防には定期的なスクリーニングも重要だと助言している。(HealthDay News 2016年4月11日)
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ヘルスデージャパン 2016.4.18
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6784:2016418&catid=20&Itemid=98
過去にも、だよりで紹介させていただきましたが、
低用量アスピリンの服用で一部のがんリスクが低減(2016.3.14掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6694:20160314&catid=20&Itemid=98
に関連する報告です。アスピリンには、消化器への副作用が報告されているため、症例に気をつけなければなりませんが、アメリカでは、発症予防のためのひとつの選択肢となっているようです。しかし、10年以上のアスピリン服用については、抵抗がある方も多いかもしれないですね。