米国では、全体的な乳がん発症率は横ばいであるにもかかわらず、乳房切除術を受ける女性の比率は2005年から2013年までに36%増加していることが、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)のデータにより明らかにされた。女性10万人あたりでいえば66人から90人に増加したことになり、なかでも両側乳房切除は10万人あたり9人から30人へと3倍以上に急増。2013年には両側切除が全体の3分の1を占めるまでになっている。両側乳房切除を受ける年齢が低下していることもわかった。2013年に両側切除を受けた女性の平均年齢は51歳で、片側切除を受けた女性の61歳よりも10歳若かった。
がんがなくても予防的に両側切除を受ける女性も、10万人あたり2人から4人以上へと倍増した。乳がんの遺伝的リスクのある女性は予防措置として両側切除を受けることがあり、2013年には女優で映画監督のアンジェリーナ・ジョリーもこの手術を受け話題となった。また、両側・片側のいずれの乳房切除術も外来での実施が増えており、2013年には全体の45%が外来処置であったことも報告された。このデータは、乳がん治療のパターンが変化していることを示すものであり、健康、福祉、安全のための女性の選択の有効性について、さらに明確な根拠が必要であることが浮き彫りにされたと、AHRQの理事であるRick Kronick氏は述べている。
米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のStephanie Bernik氏によると、乳房切除術を選ぶ患者と乳房温存術を選ぶ患者で、全体的な生存率はほぼ同程度であるという。それでもこのような傾向がみられる理由としては、遺伝子スクリーニングの増加、再建治療の向上、がんのない側の乳房のがん発症リスクを低減したいという女性の要求などがあると、同氏は説明している。米ウィンスロップ大学病院ブレスト・ヘルスセンターのFrank Monteleone氏は、必ずしも乳房切除術が必要でなくても、後に何度もマンモグラフィや生検を受け、そのたびに不安になるよりは、切除してしまうほうがよいと考える女性もいると述べている。今回の報告は、米国人口の25%以上を占める13州のデータに基づくもの。AHRQは米国保健社会福祉省に属する機関である。
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ヘルスデージャパン 2016.2.29
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6655:2016229&catid=20&Itemid=98
米国の有名女優のある方は、乳がんの発症のリスクを避けるため、予防的に乳房摘出の道を選びました。女性の象徴である、乳房の摘出という事は、女性にとって、苦渋の決断となることは間違いありません。リスクを避けるためのベストの選択は、現状では摘出ということになってしまいますが、予防切除をしなくても良くなる医療進歩を、心から望んでいます。