ヘルスデージャパン
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早期の乳がんと診断された女性の20年以内の死亡率は3%にとどまり、積極的な治療をしても生存率はそれ以上向上しないことが新たな研究で示された。本研究結果は「JAMA Oncology」オンライン版に8月20日掲載されている。今回の研究対象は、非浸潤性乳管がん(DCIS)と呼ばれる小さな限局性のがん。マンモグラフィで見つかる乳がんの約20~25%がこれにあたり、がんが乳房外に拡散していなければステージ0とみなされる。
カナダ、Women’s College Research InstituteのSteven Narod氏らは、1988~2011年にDCISと診断された10万8,000人強の女性のデータを調べ、患者が乳がんで死亡するリスクを一般集団と比較した。患者は診断時に平均54歳で、平均7.5年にわたり転帰を追跡。10年後および20年後の全体の死亡率を推定した。全体で956人が乳がんで死亡し、このうち517人は、治療によりDCISが完治したとみられる乳房内には浸潤がんが認められなかった。つまり、DCISのがん細胞が、ある時点で肺や骨に逃れ、後にその部位で致命的ながんに進展したということだとNarod氏は説明する。
また、DCISの既往のある女性において、DCISが見つかったほうの乳房とそうでないほうの乳房では、浸潤性乳がんの発生率がほぼ同等であることもわかった。さらに、外科手術後に放射線療法を追加しても、手術のみの場合に比べて生存率の向上は認められなかった。
がん研究の専門家である米ミシガン大学(アナーバー)のSarah Hawley氏は、「35歳未満の患者ではDCISによる死亡リスクが比較的高い」と指摘している。同誌の付随論説によると、40歳未満でのスクリーニング受診はまれであるため、若い女性のDCISはしこりや血性分泌液などの症状により見つかることが多いという。その他の危険因子として、がんのホルモン反応性、特定のがん関連遺伝子、大きさが2インチを超えているかなどが挙げられ、リスクの高い集団では化学療法も選択肢の1つだとNarod氏は話す。
今回の結果は、一部のハイリスク集団にとっては懸念を高めるものだが、全体としてはDCISの診断を受けた女性にとって明るいものといえる。Narod氏によると、DCISによる死亡リスクは、乳がんの家族歴や乳腺濃度が高いことによるリスクほどは高くないという。
付随論説では、「この死亡率の低さを考慮すれば、診断から2週間以内に根治手術の予定を決めなければならないと患者に話すことはやめるべきだ」と述べている。
>>実際に乳がんと診断されてしまうと、死と対峙していく必要性を感じてしまい、外科的手術の早期決断となりそうですが、この早期乳がん時での生存率が明示されたことからも、医師は、様々な可能性を説明し、患者へのインフォームドコンセントをしっかり行うことがさらに大事になってくると考えられます。ただ、これに関しては生命に関わることになるので、更なる研究が必要かと思います。