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みなさんは、歯科の治療を受けた時、長い時間にもかかわらず、さほど苦痛の記憶が残らない時もあれば、短時間で済んだのにひどく痛かった気がする、などという経験がありませんか?それは痛みの強さだけの問題なのでしょうか?もちろん、痛みの強さが強ければ強いほど、苦痛の記憶が残るのは分かるのですが、それでは、ピーク時の痛みの強さが同じだとしたらどうでしょう。たとえば全く痛みがないのを0とし、我慢できないほどの痛みを10としたとき、痛みのピークが8だとしたら、治療や検査の時間が短いほど苦痛の記憶は残らないと思いますか?非常に興味深い研究があります。トロント大学のドナルドレデルマイヤーとダニエル・カーネマンの共同研究で、大腸内視鏡検査を受けた人の苦痛の記憶の調査です。検査を受けている人の苦痛を、60秒ごとに10段階で評価してもらい、調べたものです。その中で、Aさんの検査時間は8分間、Bさんの検査時間は24分間、ピーク時の痛みは2人とも評価8と同じでした。単純に考えれば、検査時間が短いAさんの方が、検査終了時の苦痛の記憶はBさんより良好のはずです。しかし、実際はそうではありませんでした。
そこで研究者たちは、さらに詳しく痛みの変化を調べました。すると短時間の検査だったAさんの検査終了時の痛みは7で、Bさんは1だったのです。どうやら、痛みの記憶というのは「ピークエンドの法則」というのがあり、ピーク時と終了時の痛みの平均でほとんど決まることが分かりました。2人だけでなく、その他154人の人たちにも同じ傾向がみられたのです。つまり検査や治療は、ピーク時の痛みを軽くし、治療や検査の終了時痛みを軽くしてやると、持続時間には関係なく、苦痛の記憶は軽減するというわけです。この法則、ぜび医療現場で応用したいものです。
>>われわれもそうですが、「痛み」はできるだけ避けたいもの。大人になっても、幼児期の「痛み」が記憶され、例えば、歯医者で痛い治療をされ、トラウマになっており、重症化して来られる方も少なからずいらっしゃいます。今回の記事では、「ピーク時の痛みの軽減」「終了時の痛みを軽く」することで、痛みの記憶が残りにくいことがわかりました。臨床現場で使える、有用なデータかと思います。



