健康百科 http://kenko100.jp/dental/cat18/2011/2013022801_279
〔症例〕20代 男性
〔症状〕舌の苔が気になり舌磨き用品を使用しています。一時的に除去されても、食後にまた付着するため舌苔治療を考えています。舌磨きではなく、根本的に治す治療法はないでしょうか?
回答
舌の苔を治すという考え方はありません。必ずしも病的な症状ではないからです。
詳細
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面(舌背部=ぜっぱいぶ)にできる苔状の付着物です。舌の表面はザラザラとした糸状乳頭(しじょうにゅうとう)に覆われていて物をかき取る役割があります。糸状乳頭の隙間には新陳代謝により剥離(はくり)した上皮細胞や口腔常在菌などが多数付着し、その周囲の停滞物が白色で苔状に見えることから「舌苔」と呼んでいます。舌苔は必ずしも異常ではなく、多くは生理的な反応と考えられています。
舌苔の増加
普通に食事をする・生活を送るときには、舌の表面は物理的に刺激されるため舌の汚れは自然に取れてなくなるものです。ところが、病気の結果として舌苔が増加することがあります。たとえば、ヘルペス性口内炎などで口のなかが痛くてものが食べられない状態になると、舌苔が増加します。また、脳血管障害の後遺症として片麻痺が生じ、舌が動かしにくい状態になると、運動が不自由な側の舌に舌苔が増加します。このように舌苔の異常な増加は病気の結果として起きることが多いのです。
口臭と舌苔
口臭には、病的口臭と生理的口臭があります。病的口臭の原因には、肝臓や腎臓の病気、糖尿病などの全身由来のものと、歯周病や不適合補綴物(合わなくなった歯のかぶせもの)などの口腔由来のものがあります。生理的口臭とは病気が原因ではないものです。生理的口臭には、摂取した食物のニオイのほか、歯垢や舌苔が原因となっている場合があります。
口臭のなかでは舌苔が原因となっていることが多いのですが、舌苔が必ず臭うという訳ではありません。多くは心配のないものです。
口臭の検査
そこで重要になるのが口臭検査です。まず口臭検査を行い口臭があるかどうかを見極めます。そして、口臭の原因が舌苔なのかどうかを判断する必要があります。舌苔が口臭の原因になっていない場合には舌苔を除去する意味はありません。
もしも舌苔が口臭の原因になっているならば、舌ブラシなど舌苔の除去用具を用いてやさしく取り除いてください。ただし、舌粘膜表面には味蕾(みらい=味を感じる突起)や舌乳頭などのきわめてデリケートな大切な組織がありますので、あまり強い機械的な刺激を加え舌の粘膜を傷つけないように注意して下さい。
>>>気にされる患者さんもたまにいます。