控除対象外消費税

日医NEWS 第1223号(平成24年8月20日)
http://www.med.or.jp/nichinews/n240820e.html

社会保障・税一体改革法案で税制について最も中心的なものが消費税率のアップであり,平成二十六年四月に八%,二十七年十月に一〇%にアップすることが明記された.
消費税は,今後の社会保障制度の充実を図るための財源として重要だが,医療機関にとっては,社会保険診療が非課税となっているために発生している控除対象外消費税の解消が喫緊の課題である.日医の調査では,控除対象外消費税は社会保険診療の収入に対し平均二・二%に達している.今回の診療報酬アップが,経費込みで〇・〇〇四%であったことを考えると,いかに大きな負担か理解出来ると思う.
今回,控除対象外消費税について改めて説明してみたい.医療機関は,医薬品,設備投資等に対し,仕入れを行った際に業者に消費税を支払う.通常の“課税”取引であれば,消費者から消費税をもらい,事業者が仕入れに払った消費税を控除(いわゆる引き算)して差額を税務署に納付することになる.つまり,事業者は納税の手間はあるが,実額としての負担はない.
一方,社会保険診療は非課税のため,医療機関は納税の義務はないが,仕入れに払った消費税を控除することが出来ない.この仕入れに払った消費税が控除(引き算)の対象にならないことから,“控除対象外”消費税と呼んでいる.
この控除対象外消費税に対して,消費税導入の平成元年と税率が五%になった平成九年に,補填(ほてん)として診療報酬に上乗せがされた.この上乗せが十分でなかったために,控除対象外消費税と診療報酬の上乗せ分に乖離(かいり)があり,この乖離額が日医の推計で少なく見積もっても年間二千三百三十億円に達している.この差額のことを所謂“損税”と称している.しかし,問題の本質は損得の話ではなく,税の仕組みから発生した問題を保険財源で診療報酬上解決しようというところにある.
非課税という配慮がされているように見えながら,国民は,実は不透明な仕組みで診療報酬上負担させられている.
長年医療界が切望してきた検証の場が中医協の分科会として設置され,既に二回開催された.抜本的な解決に向けて議論をしていくことになるが,解決には法律改正を必要とする.多数の国会議員に理解してもらうには,まずは会員の理解が絶対に必要である.日医が平成十九年に作成したパンフレット『消費税率アップが,私たち医療機関の負担アップにならないために』の改訂版をぜひ一読願いたい.

参考 ・・・ 中医協:第2回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録  

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002hvvp.html

 

医療機関ホームページの指針、月末にも告示

Yahoo! ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120821-00000003-cbn-soci

厚生労働省は、医療機関がホームページに掲載できる内容のあり方を定める指針(ガイドライン)を、月末にも告示する方針だ。ホームページに掲載されている治療内容や費用が事実と異なることなどによるトラブルを防ぐのが狙い。
厚労省はこれまでに、有識者から成る検討会の会合を重ねて指針の案を作成。同案では、客観的事実だと証明できなかったり、ほかと比べて自院の優良性を示そうとしたりする内容の掲載控えを求めている。具体的には、「絶対安全な手術を提供します」「県内一の医師数を誇ります」「日本一」といった表現を、掲載すべきでない事項の例に挙げた。
また、自由診療を行う医療機関に限り、平均的な治療費や治療のリスクを記載すべきとした。
同省は7月10日から8月9日まで、同案に関するパブリックコメント(意見公募)」を実施した。同省の担当者は、「想定以上に意見が集まった。集計に時間がかかり、告示が月をまたぐ可能性もある」としている。