くらしナビ http://sankei.jp.msn.com/life/news/121109/bdy12110908400003-n1.htm
乾燥するこの時期には、口臭が強くなりがち。口の中が乾き、菌の繁殖が進みやすくなるからだ。臭いの原因はさまざまだが、「舌苔(ぜったい)」を知る人はまだ多くない。舌にコケのように付着した汚れのことで、口臭の大きな原因になっている。そんな舌をケアする製品も店頭に各種並び、きれいな息を心がける人が増えている。(川村達哉)
なぜ舌苔はできるのか。簡単にいうと、まず、舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる細かいヒダがある。食べかすや、上皮という細胞がはがれたものがヒダに引っかかり、唾液の量が少ないとさらにとどまりやすい状態になり、臭いのもとになる。
◆「原因の6割」とも
食品メーカー、江崎グリコ(大阪市西淀川区)が8月、口臭についての意識調査を20~50代の就業者824人を対象に行った。「口臭の最大の原因は何だと思うか」と聞くと「歯周病・歯肉炎」「歯垢(しこう)」の順に多く、口臭といえば歯という印象が今なお強いことを示した。「舌の汚れ」を重視している人は13・3%だった。
一方、口臭原因の6割が舌苔と食べかすによるというデータもあるという。
歯科衛生士で、雑誌に多くの連載を持つ北原文子(ふみこ)さんは、「口臭が気になる人は9割もいるのに原因が分からない人や、舌苔を知らない人が多い。舌の汚れを知り、ケアする習慣を身に付けたいですね」と話す。
北原さんによると、ここ数年、舌苔が注目されるようになった背景があるという。「軟らかめの食べ物や味の濃いものが普及していますが、食べ過ぎるとかむ回数と唾液の分泌量も減ります。舌苔がとどまりやすい状況になっています」
◆神経質なりすぎず
舌ケアへの関心は高まっている。調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、製品(対象は専用ブラシなど舌クリーナー単体)の市場規模は、平成19年の3億6千万円から23年の6億2千万円(推定)へ右肩上がりという。
注目されているのは、手軽で個性が光る商品。例えば、グリコの「ブレオ」は口の中に入れ、なめるだけでケアができるというタブレットだ。効果が実証され、学会誌に掲載された。
「かまずに、できるだけ奥の方も含めて舌全体でなめていただければ。舌苔を効果的に除去できる、凹凸のある3層構造です。家庭でも職場でも通勤中でも、いつでも手軽に舌ケアができます。売り上げは前年比160%と好調です」と、同社マーケティング部の河瀬茂宏さんは話す。
また、電動(音波振動)歯ブラシの裏側に舌ブラシが付いたパナソニック(大阪府門真市)の「ドルツEW-DM51」。1本で歯も舌もケアできるという。
「20~30代の女性を主なターゲットに開発した製品の最新機種として、9月に発売しました。毎朝毎晩、1回各15秒、舌の奥から手前に優しくブラッシングします」と、同社広報チームの佐々木真弓さん。
一昨年春、ポシェットに収まるポケットドルツを販売し、半年で100万台という大ヒットに。改良を重ね、外出先ではポケットタイプ、家では舌ブラシ付きのタイプを薦めている。
北原さんは「舌ケアは大切ですが、神経質になり過ぎず、気楽に。それが健康的に続けるコツですね」。
鏡で自分の舌をよく見てみよう。うっすら白かったり、黄色だったりしたら要注意。ケアを始めるときかもしれない。