厚生労働省は6月15日に、平成22年度の医療給付実態調査報告を発表した。この調査は、レセプトに基づいて、受診や疾病等の状況を年齢別、疾病分類別などの切り口から分析したもの。平成20年度から全医療保険の全レセプトが対象となっている。
まず年齢階級別の1人当たり医療費を見てみると、総計では15万5388円となるが、
(1)0~4歳の乳幼児で22万7887円
(2)10代~40代前半では6~10万円前後
(3)50代以降は年齢を追うごとに医療費が高くなり、70代では56万6564円―となっている。
これをグラフにすると、若人を底とするすり鉢状になる。ただし、医療保険制度別に見ると、協会けんぽ、組合健保、共済組合では類似のカーブを描くが、市町村国保では30代~60代の広い年齢層で他の医療保険よりも高い数値を示している。 「市町村国保で医療費が高い」原因を探ってみると、入院外(外来)では市町村国保も他の医療保険と類似の医療費を示すが、入院で医療費が高いことが分かる。
さらに、入院医療費の内容(疾病分類別)を協会けんぽ、健保組合、市町村国保で比較してみると、市町村国保では「精神及び行動の障害」「神経系の疾患」の入院医療費が他制度に比べて際立って多いことがわかる。この傾向は、前回(平成21年度)調査でも同様であり、医療費適正化対策を立てる際の足がかりとなろう。また点数階級別に見てみると、入院では3万点以上、入院外では1000点以上のレセプトが相当の割合を占めていることがわかる。
入院レセのうち3万点以上のものが占める件数の割合を制度別に見ると、協会けんぽ47.9%、健保組合45.1%、共済組合45.8%、国保(市町村国保と国保組合)63.2%、後期高齢者66.3%となっている。一方で、3万点以上の入院レセが占める点数の割合を見ると、各制度とも8割以上(83.2%~88.6%)となっている。さらに、20万点以上の超高額レセに限定すると、件数割合は1~2%にとどまるが、点数割合では6.6~14.8%に跳ね上がる。
ここから、依然として「少数の人が、非常に多くの医療費を消費している」実態がうかがえる。
医療給付実態調査 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryoukyufu.html
表番号3の「調査結果の概要」のPDF 10ページ前後参照してください